今や販売好調なデリカミニと切り離せなくなった「デリ丸。」。広報活動に尽力するデリ丸は、クルマよりも知名度が高いかもしれない。時代を遡ってみると、デリ丸以上に人気を博した車種限定のオリジナルキャラクターがいたものだ。デリ丸の先輩とも言える、CMキャラクターたちを紹介していこう。
文:佐々木 亘/画像:三菱、ダイハツ、トヨタ、ベストカーWebほか
グッズありすぎでキャラが独り立ちしつつある「デリ丸。」
つぶらな瞳に勇ましい口調が特徴的なデリ丸。名前は現X(旧Twitter)内で募集され、設定上はデリカミニの化身である。犬かどうかは不明。
おそらくクルマに興味がない人でも、デリ丸という存在は知っているだろう。デリカミニがどういうクルマかは知らなくても、四角い顔した犬っぽいやつは知っているのだ。これは商品を売る上では大きな強みであり、強力な広告塔。デリカミニはもちろんだが、三菱のイメージアップにもデリ丸が大きく貢献している。
人気にあやかり、「デリ丸。」グッズは日増しに点数を増やしている状態。2025年のオートサロンでは、大々的に「デリ丸。」グッズが販売され、特に全国47都道府県のモチーフで被り物をしている「ご当地デリ丸。」には驚かされた。
「デリ丸。」グッズは全国の三菱販売店で買うことができるし、ネット通販でも購入可能。一部のディーラーでは人気のあまり、入手困難になっているものもあるという。販売店では「クルマはもちろんですが、グッズの売れ行きが凄すぎます。」と嬉しい悲鳴が聞こえてきた。「デリ丸。」グッズの取り扱いや購入方法は、お近くの三菱販売店へ問い合わせてほしい。
クルマの担当からダイハツを代表するキャラへ「カクカクシカジカ」
2008年に登場したムーヴコンテと共にデビューしたのが、「カクカクシカジカ(以下カクシカ)」だ。キャラクターの設定は、評論家で4人家族、二児のパパである。ちなみにシカジカが名字で名前がカクカク。妻はテキパキ、息子がワクワク、娘がキラキラという名前らしい。
カクシカはじわじわと人気が出て、露出が増えていき、ムーヴコンテの販売を終了した後もダイハツの広告塔として残った。カクシカ専用のファンサイトが立ち上がり、デジタルギフトやARフィルターなどでもカクシカの活躍を見ることができたのだ。
グッズは実働年数が長い分多いが、現在一般向けに販売をしているものは無く、すべてが販促品。購入特典や来場特典が主なものだ。
ダイハツでは他にも、タフトのキャラクターだった鳥の「タフトン」も話題になった。デリ丸やカクシカといい、軽自動車と個性的なキャラクターは相性がいいのかもしれない。
アラフォー世代が子供の頃にハマった「イプー」
1996年に登場したトヨタのミニバン「イプサム」のCMに登場し、魔法をかけて夢をかなえる黄色いキャラが「イプー」だ。クルマのオリジナルキャラクターとしては、最も知名度が高いキャラクターの一つにも上げられる。当時の子供たちにも大人気で、イプーのノベルティが欲しい一心で「次のクルマはイプサムにして」と親にお願いする子供もいたほど。
イプサムはCMの力で大きく売れたクルマの代表例であろう。デリ丸やカクシカといったオリジナルキャラクターを使う販促活動は、イプサムが源流と言ってもいい。
良いキャラの登場は、クルマが有名になる足掛かりだ。オリジナルキャラクターが増えていき、グッズに力を入れていくと、これまでクルマに興味の無かった層にクルマの魅力を伝えられる。
「デリ丸。」の次は、どのメーカーが良いキャラを生み出してくるのか、期待して待ちたい。

















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