現代ならではのタブー!? 自動運転車を近くで撮影するとスマホが壊れる可能性あるのマジ

現代ならではのタブー!? 自動運転車を近くで撮影するとスマホが壊れる可能性あるのマジ

 SNS界隈で、とある動画が話題となっている。ボルボ EX90をスマホで撮影しているのだが、クルマのある部分をアップで撮影しようとした直後、画面に色とりどりの星のような光跡が焼き付いてしまう……クルマが怪光線を出している!?

※本稿は2025年8月のものです
文:角田伸幸/写真:ボルボ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年9月26日号

【画像ギャラリー】人体にはもちろん無害ですが……近距離からのスマホ撮影はNG!! おデコにLiDARを装備したボルボ EX90(16枚)画像ギャラリー

スマートフォン破壊光線……ではありません

ボルボの3列シート電動SUV「EX90」。フロントガラス上部に見えるのがLiDARだ
ボルボの3列シート電動SUV「EX90」。フロントガラス上部に見えるのがLiDARだ

 SNSである動画が話題になっている。

 スマホでボルボの新型EV「EX90」を撮影したものなのだが、ルーフ前端のLiDAR(物体との距離や形が把握できるレーザー装置)にスマホを近づけた途端、画面にカラフルなドットの軌跡が焼き付いてしまう。

 どうやらLiDARの発する近赤外線光が、スマホのイメージセンサーを壊してしまったようだ。

 この現象、実はボルボ自身も把握し、注意を促している。EX90のユーザーマニュアルを見てみると、「LiDAR検出と限界」という項目があり、そこの注意書きに「LiDARの光波は外部カメラに損傷を与える可能性がある」と明記してあるのだ。

 こう書くとLiDARは物騒な存在に思えるが、波長や出力が人体にダメージを及ぼさないよう設計されているから基本的に心配はいらない。

 カメラのイメージセンサーも遠方からならOKなのだが、近づけるのは禁物だ。人間の網膜よりも高感度に光を捉えてしまい、使い物にならなくなる可能性がある。

 幸か不幸か、件のボルボEX90はまだ日本では発売されていない。ならば安心かといえば答えはノー。すでにLiDARは、各地で導入が進む自動運転バスや、自動運転の開発車両などにも搭載されていることが多いからだ。

 そんな自動運転車両を見かけると、物珍しさも手伝ってついついスマホを向けてしまいがちだが、当面はLiDAR部分をアップで撮ることだけは避けたほうがよさそう。

 スマホ対LiDAR。ハイテク機器どうしが起こした現代ならではのコンフリクト(衝突)と言えるが、できればこんなややこしい事態は解消してほしい。

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