日本の名車は、搭載エンジンと共に語られることが多い。名車の存在の裏側には、熟成を重ね、パワーと信頼性を併せ持った名エンジン……名機の存在が隠れている。ここでは、名車の心臓部を支えた歴史に残る名機を掘り起こしてみる。
※本稿は2025年8月のものです
文:片岡英明/写真:トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年9月26日号
自動車エンジンに要求される「名機の条件」とは
名エンジンに要求されるのは、高性能化できるか否かだ。その観点から言えばレイアウトはDOHC4バルブになるし、場合によっては過給器も必要になる。
トヨタで衝撃を受けたのは、レクサス LFAが搭載する1LR-GUE型V10、4.8L・DOHCだ。レーシングエンジンに限りなく近く、性能が素晴らしいだけでなくエンジン音も官能的である。
WRCで活躍しているGRヤリスのG16E-GTS型直3、1.6L・DOHC4バルブ直噴ターボも名機の域だろう。
日産にも名機が多い。筆頭はスカイラインGT-Rに積まれたRB26DETT型直6、2.6L・DOHCツインターボだ。
また、違う意味で名機と言えるのがL型エンジンだ。日産の多くのクルマに積まれ、活躍した。モータースポーツの世界でも大暴れし、チューニング史に残る傑作としても記憶に留められている。
ホンダの秀作は、2LのF20C型直4、DOHC・VTECだ。9000回転まで軽やかに回り、刺激的な走りを楽しめる。複合渦流燃焼室を備え、排ガス浄化性能を高めたED型CVCCエンジンも高評価だ。
マツダは3ローターにも惹かれるが、実績の高さは13B-REW型2ローターロータリーがピカイチである。FD3S型RX-7はシーケンシャルツインターボを搭載し、胸のすく加速を見せつけた。
三菱はミニカダンガンZZに搭載した3G83型直4・DOHC・5バルブインタークーラーターボに度肝を抜かれた。
スバルの傑作はレガシィやインプレッサWRXなどに搭載されたEJ20型フラット4、2L・DOHCターボだろう。荒削りだが、刺激的なパワーフィールでサウンドもマニア好みだ。
スズキは多くの車種に使われたF系の直3OHC/DOHCに惹かれる。現行のR06A型直3・DOHCは気持ちよく回り、燃費も優れている。
ダイハツは3気筒のディーゼルターボが秀作だが、衝撃を受けたのはDOHCインタークーラーターボのCB70型だ。


















コメント
コメントの使い方今後はG16Eは間違いなく国産名機に名を連ねていくでしょうね。
しっかり回って上でもパワー出てくれること、初期型でも簡易チューンで500psにして走り回れること、24以降の素で十分なトルク感など
長所はいろいろ在りますが、何より最新ターボの中では断トツ音がいい。
アクセルオフでも良い音するし、3千辺りは3気筒なのに振動以外はボクサーのような種類と迫力、7千に近づくにつれ収束していく官能と脈動。類稀