ついに初披露日産新型ルークスどこが新しい？　どこが魅力？？　で……売れるの？？

　2025年8月22日、日産は新型「ルークス（ROOX）」を発表した。日産の公式発表によると、9月22日公開時点では「車両本体のメーカー希望小売価格（予定）は160万円台（税込）～、発売は秋頃を予定」とのことだ。

　「従来の軽自動車の常識を打ち破る、まったく新しい価値を提供する」と日産が胸を張る今回の新型ルークスだが、実際に、どこが新しく、どこに魅力があるのか!?? そしてライバルひしめく軽スーパーハイトワゴン市場で本当に売れるか!?? 考えてみよう。

文：立花義人、エムスリープロダクション／写真：NISSAN

便利なだけではない「価値」を提供する新型ルークス

　新型ルークスにおいて、まず注目したいのは内外装デザインだ。エクステリアは従来型より存在感が増し、デザインテーマ「かどまる四角」を体現する角を丸めた四角形モチーフが、ヘッドライトやリアランプ、ホイールなど随所に散りばめられている。

　これによって軽スーパーハイトワゴンの直線的なボディに、柔らかさが加わり、ファミリーカーらしい親しみやすさが演出された。またフロントガラスの角度を立たせることで、キャビンの広さと良好な運転視界の両立も実現している。

　インテリアも「かどまる四角」で統一され、洒落た雰囲気に仕上がっているが、室内長が従来比で115mm拡大されており、クラストップ級となる2315mmを確保するなど、使い勝手も大幅に向上している。後席の足元も余裕があり、大人でも窮屈さを感じにくい。天井高とあわせ、まるで「小さな部屋を走らせる」ような開放感は、軽スーパーハイトワゴンを求める人にとってかなり魅力的に映るはずだ。

　スライドドアの開口幅も650mmに拡大され、子どもや高齢者でも楽に乗り降りが可能。日常使いでストレスを減らす工夫は、ファミリー層にとって大きな魅力となるだろう。

　装備面の進化も素晴らしい。なかでも、軽自動車初採用となる12.3インチの統合型ディスプレイは、高精細な大画面に情報を集約し、上級車のような先進性を演出している。これだけでも驚きなのだが、新型ルークスではここからさらに、「Breeze＝そよかぜ」というインテリアデザインのテーマにあわせ、縁側やハンモックを連想させる要素も取り入れることで、実用性だけでなく「乗っていて気持ちがいい」空間の実現にも挑戦している。

　軽スーパーハイトワゴンにありがちな「便利一辺倒」を超えた価値を味わうことができるのは、今回の新型ルークスの素晴らしい点だと思う。

　カラーバリエーションも、新色セラドングリーンやシナモンラテといった柔らかい色調に加え、ハイウェイスター系では2トーンの組み合わせを拡大するなどラインアップを拡充。全17通りから選べる自由度は、「実用車でありながらお洒落でありたい」層を強く惹きつけるはずだ。

広さと装備の充実で、重量増となっていないかは懸念点

　そんな新型ルークスだが、広さや装備を充実させたことで、車両重量は増加していないかは心配なところ。燃費性能に直結する車両重量は、極限まで磨き込まれている昨今の軽スーパーハイトワゴンにおいては、多少の増加も許容できるものではなく、走行性能や燃費において、ライバルより不利になる可能性があるのは懸念点といえる。前席ロングスライドなど、N-BOXやタントに見られるユニークなユーティリティが見当たらないのも心配な点だ。

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