2025年3月にバンコク国際モーターショーで初披露された三菱 エクスフォースHEV。東南アジアなどで人気を博しているエクスフォースに追加されたHEV版だが、そのエクスフォースHEVの現地試乗に成功。日本にもジャストサイズのSUVの仕上がりは!?
※本稿は2025年9月のものです
文:三木宏章/写真:三木宏章、スズキ ほか
初出:『ベストカー』2025年10月10日号
三菱 エクスフォースHEVにタイで試乗!
2023年11月にインドネシアで発表後、アセアン地域や中南米、アフリカ、中東などで人気を博している三菱の世界戦略車「エクスフォース」。そのハイブリッドモデルが、2025年3月のバンコク国際モーターショーで発表された。
サイズは全幅こそ少し広めだが、それ以外はエクリプスクロスよりもコンパクトで、ヤリスクロスやヴェゼルに近く、日本でも扱いやすそうだ。
そして注目はインテリア。これまでの三菱車は少し武骨な印象もあったが、エクスフォースはディスプレイオーディオからメーターまで、まるで一枚の液晶がつながっているようなデザインになり、グッと洗練された。
さらにディスプレイオーディオには、往年のパジェロをオマージュした3連メーター表示が可能で、高度や前後左右傾斜なども映し出せて遊び心も満点!
パワートレーンは2024年タイで発売したHEVモデル「エクスパンダー/エクスパンダークロス」の1.6L・MIVECエンジン+モーターがベースだが、新開発のトランスアクスルやモーターディスコネクト機構などを追加した改良版で、燃費は約24.4km/L(NEDCモード値)を実現。
ちなみに現地メディア向け試乗会では、HEVに有利な下道中心ではあったが47~50km/Lに達したという話も耳にした。
また、今回はエクスパンダークロスのガソリン車およびハイブリッド車と乗り換えながら走りを体験したが、テストコース内でも新型エクスフォースはモーターからエンジンへの切り替わりがスムーズ。
試乗車はブリヂストン・アレンザの18インチを履いていたが、どんな路面でもバタつくこともなく、ロードノイズも控えめで車内は静かで上質さが際立っていたのだった。
あと、おもしろいのがEVに特化した「EVプライオリティ」「チャージ」のほか、「ノーマル」「ターマック」「グラベル」「マッド」「ウェット」という7つも用意されたドライブモードの存在だ。
地方に行くと未舗装路もあり、雨季には道路が冠水することも多いタイという土地柄、マッドはとくに評価が高いという話だ。
ちなみに現在はタイのみで販売しているが、「今後他市場への展開も検討する」というコメントもある。ぜひ日本にも導入してほしいと本気で感じた一台だ。
エクスフォースの工場にも潜入!
エクスフォースHEVは、ミツビシ・モーターズ・タイランドのレムチャバン工場で生産される。
レムチャバン工場では、エンジン製造から車体の組み立て、HEVモデルのバッテリーユニット製造までを行い、隣接したレムチャバン港からASEANをはじめ世界各国への輸出も担う。
とくにHEV車向けのバッテリーユニットは、現在のところレムチャバン工場でしか稼働していないため、グローバルにおける重要拠点であり、高い技術を持っているのだ。
●三菱 エクスフォースHEV 主要諸元
・全長×全幅×全高:4390×1820×1660mm
・ホイールベース:2650mm
・車両重量:1660kg
・エンジン形式:直4DOHC+モーター
・総排気量:1798cc
・エンジン最高出力:107ps/6000rpm
・エンジン最大トルク:134Nm/4500rpm
・モーター出力:116ps/26.0kgm
・駆動方式:FF
・タイヤサイズ:225/50R18



















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