中身は「四車四様」! 最新ハイブリッドコンパクトの真価を体感するならこの4台!

「2モーターでシーンに適した動力をチョイス」 ホンダ・フィット

システムは四車四様! 最新ハイブリッドコンパクトの真価を検証
親しみ、安心感、走りをキーワードにしたエクステリア。細部はグレードによって異なるが、写真のホームは生活になじむデザインとしている。マイナーチェンジでアッパーグリルの位置を変更するなどし、イメージを一新した

 フィットにハイブリッドが初めて設定されたのは2代目のマイナーチェンジ時。

 しかしそれはモーターがエンジンをアシストするパラレル式の「IMA」で、続く3代目では低速でのEV走行を可能にした「i-DCT」へ進化。ともにエンジンが主役のシステムだったが、4代目ではエンジンで発電してモーターで走行するシリーズ式ハイブリッドを基本とする「e:HEV」が採用された。

 このe:HEVの特徴は発電用と走行用を独立させた2モーター式としていることで、通常走行のほとんどをモーターで行い、高速巡行などエンジン走行のほうが高効率なシーンではエンジンが担当。

 さらに、高負荷時やバッテリー残量が少ない時はエンジンで発電用モーターを駆動して発電し、その電力を走行用モーターに供給して走行する。

 つまり、モーターとエンジンそれぞれの長所を活かし、シーンに合わせて走行モードを変更する高効率なハイブリッドシステムということ。

 ただし、ネガな部分がまったくないわけではない。同グレードで比較すると、ガソリン車よりも40万円以上も高額。この価格差をどう判断するのかは人それぞれだが……。

 ちなみに、2022年のマイナーチェンジではモーターの出力を高めるとともにアクセルの応答性を向上。今まで以上に力強い走りや、クルマとの一体感が感じられるようになったという。

「高効率のモーターと発電機がエンジンをサポート」 スズキ・スイフト

システムは四車四様! 最新ハイブリッドコンパクトの真価を検証
好評だった先代からイメージをガラリと変えたエクステリアは、クルマ全体を包み込むラウンド形状で先進的なイメージを表現。全長は先代よりも20mm長いが、車体骨格はキャリーオーバーのためホイールベースは不変

 先代ではフルハイブリッドとマイルドハイブリッドという2種類のハイブリッドをラインナップしていたスイフト。しかし、2023年に登場した現行モデルではマイルドハイブリッドに一本化された(ガソリン車の設定もあり)。

 そのパワートレインは全面的に刷新され、エンジンは新開発の1.2リッター直3のZ12E。高速燃焼化と高圧縮比化により燃費性能が向上したこのユニットに、マイルドハイブリッドは発電効率に優れたISG(モーター機能付き発電機)を組み合わせている。

 そして、減速時のエネルギーを利用して発電し、その電力をバッテリーに充電。加速時にはその電力でモーターを駆動してエンジンをアシストすることで、力強い走りと低燃費を実現する。エンジンが主役でモーターは縁の下の力持ち的なシステムなのである。

 ただ、フルハイブリッドと比較すると燃費向上の割合も大きくないし、モーターのみの走行もできない。その一方で、モーターの存在を意識させない自然な乗り味や、ガソリン車からの価格アップが少ないことはマイルドハイブリッドの魅力。

 つまり、ガソリン車から気軽に移行できるハイブリッドがスイフトということ。

 また、現行モデルには国内で初めてマイルドハイブリッドと5MTを組み合わせたグレードを設定。走りにもこだわるスズキらしいラインナップである。

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