減少した「メーター戻し」
最後に、アナログメーターからデジタル(液晶)メーターに変えたことで、オドメーターに手を加えて改ざんする、いわゆる「メーター巻き戻し」はまだ起きているのだろうか?
この点について、中古車のオークションの業務を手がける自動車公正取引協議会に訊いてみた。
担当者によれば「現状ではICチップ(ECU)の交換やデータの改ざんには手間がかかるので、改ざん例は少ないです」とのこと。
「メーターパネルそのものやインフォメーションディスプレイ表示部の部品交換など、大がかりな作業となってしまいますから」ということで、悪徳業者にとって効率が悪すぎることは充分に想像できる。
法律的には「景品表示法」の誤った表示を実施する“不当表示”となり、メーター改ざんによって客をだまして車両を販売する「不正競争防止法」の違反として警察の取り締まりの対象となるとのことだ。
この点では液晶表示が犯罪防止に繋がっているのだから、明白な長所といえるだろう。
ちなみに、平成29年1月に国土交通省は、車検証に過去の車検までに走行距離の最大値記載を実施するようになった。
それまでは初回車検前に戻せば、過去の実走行データを消し去るために、車検を2回通してデータを新しくしてしまうことが可能だったが、過去の車検までの最大走行値を記載されているようになり、車検の度に車検証に最長走行距離が記載されるなど二重車検の対策が実施されている。
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