【アナログに優る部分ばかりじゃない!?】液晶&デジタルメーターの長所と意外な短所

見にくさは改善されつつある

2020年2月14日に発売された新型ヤリス
2020年2月14日に発売された新型ヤリス
ヤリスのコクピット。インパネの高さを抑えて視界を広げ、ワイドで上級クラスの車内のような空間を演出。「カラーヘッドアップディスプレイ」はHYBRID ZとZに4万4000円高でオプション設定
ヤリスのコクピット。インパネの高さを抑えて視界を広げ、ワイドで上級クラスの車内のような空間を演出。「カラーヘッドアップディスプレイ」はHYBRID ZとZに4万4000円高でオプション設定
新型ヤリスの液晶メーター。左側がタコメーター、中央がさまざまな情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイ、右側が水温計とスピードメーター
新型ヤリスの液晶メーター。左側がタコメーター、中央がさまざまな情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイ、右側が水温計とスピードメーター
 <br>ヤリスX系のグレードではマルチインフォメーションディスプレイ(4.2インチカラーTFT液晶)+2眼式アナログメーターとなる

ヤリスX系のグレードではマルチインフォメーションディスプレイ(4.2インチカラーTFT液晶)+2眼式アナログメーターとなる

 液晶メーターの表示の見やすさで気になるのは、着座時の角度への配慮が必要に思えることだ。たとえば、座高が低すぎたり高すぎる場合には、いくらステアリングコラムにチルト機構などがあり、シート座面を調整してもしっくりこないことがある。

 他にも、日中に室内に入ってくる日光や夜間だと街路灯の光が反射して見にくい場合があることだ。

 最近では巧く遮光されている例が多く、照り返しが気になるようなケースは少なくなってきている。

 自発光式メーターと同じく、周囲の光をなるべく入らないように仕立て、パネル表面の反射を抑えるなど、視認性を高める工夫が施されているからだ。

 メーターそのもののデザインではないが、液晶パネルの使用を意識した工夫も見られる。

 ダッシュパネルのメーター上部に位置するひさし(バイザーと呼ぶこともある)のデザインは、日光や照明の反射を防ぐ機能をもち、スピードメーターを含む液晶モニター(メーター)の見やすさを確保するうえで重要。

 メーター周りのデザインをすっきりと仕上げるには、ひさしがあることを感じさせないことが肝となる。

 最近の例としてトヨタヤリスでは、上面への張り出しがごく小さなメーターナセルのなかに、TFT液晶の二眼メーターと中央にインフォメーションディスプレイを設置している。電化製品だけにやはり最新こそ最良のものということになる。

 一方、ホンダフィットは視界のよさを重要視し、メーター上部にあったひさしを取り払い、7インチのTFT液晶メーターも必要最小限の情報を最大限に表示するというコンセプトのもと、見やすいメーター表示となっている。実際、運転してみても反射が少なくTFTモニターの優秀さが伺えた。

2020年2月14日に発売された新型フィット
2020年2月14日に発売された新型フィット
ダッシュボード上が平らでメーターの上のひさしがなく視界のいい新型フィット
ダッシュボード上が平らでメーターの上のひさしがなく視界のいい新型フィット
メーター上部にひさしのない新型フィットの7インチTFTマルチインフォメーションディスプレイ。心地よさをキーワードに必要最小限の情報を最大限に表示している
メーター上部にひさしのない新型フィットの7インチTFTマルチインフォメーションディスプレイ。心地よさをキーワードに必要最小限の情報を最大限に表示している

デジタル表示の指針式メーターの意味

現行クラウンのオプティトロンメーター。フルデジタル化されていないのは、慣れない高齢ユーザーが多いため、アナログ+液晶メーターのハイブリッドメーターが採用されたのだろうか

 液晶パネルによるデジタル表示では一見して数値を把握することが簡単なのは当然だが、速度を大まかなに把握するだけなら、指針の位置と周囲の目盛りで充分にも思える。

 タコメーターでは定常走行時のおよその回転数やギアチェンジ時の変化を把握することが主な使用目的になるから、デジタル表示よりもアナログ表示が適していて、実際にも回転数が数値でデジタル表示されることはほとんどないように思える。

 表示の細かい点では、液晶表示の針の動きについては改善が進んでいるとはいえ、もう少し立体感があったほうがよく、実物のレベルでわかりやすいといえるほどの到達している例はまだ少ない。

 これを補うために、ほとんどメーター内が液晶化されているにもかかわらず、円形のベゼルで分けて2眼式として表示することで、慣れとともに見やすい印象を与えるようにデザインされているように思える。

 トヨタクラウンでは円形のメーター周囲の数値表示を別パネルとして見やすさを向上させているように、改良の余地はまだあるとしておきたい。

次ページは : 輸入車や高級車から進む「全面液晶化」

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