低床ミニバンブームのなかで苦戦したクルマ
●トヨタ ガイア
1994年にデビューしたホンダ オデッセイに端を発するのが低床ミニバンブーム。
オデッセイが低床になったのは、コスト面での理由によりアコードのプラットフォームを利用せざるをえないことなどの理由があったのだが、これが結果的に従来のミニバンよりも乗降しやすく、使い勝手も良いという新たなカテゴリーの誕生につながった。
トヨタでもオデッセイのヒットを受けて自社製低床ミニバンの開発に着手し、1996年にコロナプレミオベースのイプサムを発売。さらに1998年にイプサムの派生車種となるガイアをリリースした。
イプサムをベースに全長を延ばしたガイアは室内空間の圧迫感などが軽減されたが、やはり急造ゆえに完成度はもうひとつ。他社製モデルに対する明確なアドバンテージを持っていなかった。
こうした理由により、セールス面も芳しくなかったガイアの製造販売は2004年に終了となり、アイシスが事実上の後継車種になった。
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ステーションワゴンなのか、それともRVか？
●スバル インプレッサグラベルEX
一般的な4ドア乗用車の後部を伸ばして荷室スペースを拡大したクルマをステーションワゴンと呼び、このステーションワゴンが1990年代に流行した。
スバルの初代レガシィツーリングワゴン（1989年）のヒットがきっかけとなったステーションワゴンブームに乗じるため、ライバルメーカーからもこのカテゴリーのモデルが登場するが、スバルからもまた、少々毛色の変わったステーションワゴンが発売された。
そのクルマがインプレッサグラベルEX（エックス）。
1992年に発売された初代スバル インプレッサスポーツワゴンWRXをベースにしたインプレッサグラベルEXは1995年にデビューした。
スポーツワゴンWRXから、フロントグリルガードやテールドアへのスペアタイヤ装着などの変更が施されたインプレッサグラベルEXは、ワゴンベースでありながら、RVの雰囲気を持つ、現在でいうクロスオーバーSUV的なクルマだった。
良くいえばクロスオーバーSUV、悪くいうと中途半端な存在だったインプレッサグラベルEXはマーケットでの評価を得られず、スバルでも同車の早期販売終了を決断した。
インプレッサグラベルEXの販売台数は1313台にとどまるという残念な成績に終わっている。
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