新車、中古車問わずアルファードの一人勝ちが続いている高級ミニバン市場。新型の登場を控える現行エルグランド(E52系)と、リセールバリューが減少傾向にある30アルファードを「走行性能」「快適装備」「中古相場」の3点で比較してみた。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:トヨタ、日産自動車、写真AC
走行性能は互角ながら経済性ではハイブリッドを有するアルファードが優位
まず走行性能。エルグランドは2.5L直4と3.5L V6を設定。280psのVQ35DEエンジンを搭載したモデルはパワフルで、しっとりした足まわりと相まって重厚な走りを実現している。ただし燃費はWLTC換算で2.5Lが約10km/L、3.5Lでは8km/L台と、ガソリン代は覚悟が必要。
一方、アルファードは2.5Lと3.5Lに加え、2.5Lハイブリッドを用意。特にハイブリッドはWLTCで14km/L前後、実燃費でも12km/L近くを記録する。ガソリン車の動力性能は互角ながら、燃費面ではハイブリッドモデルを有するアルファードがリードしている。
車内の快適装備や質感は甲乙つけがたく好みで分かれるところ
次に快適装備。両車とも電動スライドドアや多彩なシートアレンジ、質感を備えている。中でもエルグランドのシートにはセカンドシートに加え、助手席にもオットマンを装備するトリプルオットマンが特徴。アルファードのトリプルオットマン仕様は中級以上のグレードに限られるが、ベンチュレーション機能が備わるのは魅力だろう。
室内空間でいえば、エルグランドは低床フロアにより後部座席の乗降性に優れることが特徴。一方のアルファードは室内に高さがあり、空間のゆとりが魅力だ。室内幅は両車同等であるため、このあたりは好みによって評価が分かれるところだろう。
初期費用の安いエルグランドかリセールの高いアルファードか
現行エルグランドは流通量が豊富で、5万km未満でも180万〜350万円台。登場が待たれる新型が流通すれば、さらに価格の低下が予想されるため、初期費用を抑えて豪華な移動空間を手に入れられる点が魅力だ。プロパイロット機能こそ備えていないが、全方位モニターなどを標準またはオプションで網羅しており、不足は感じないだろう。
一方、30系アルファードは人気の高さから相場の高止まりが続いていたが、現行型への乗り換えや、海外需要の低下などによって流通台数が増加。買った金額がチャラか、それ以上で売却できることもあったボーナス期間は終了したといえる。とはいえ、エルグランドを上回るリセールバリューの高さには変わりない。
総括すると、燃費やリセールを重視するならアルファードのハイブリッド、初期コストを抑えつつラグジュアリーな乗り味重視ならエルグランドがおすすめ。家族用途から送迎まで幅広く対応できる点は共通だが、自分が重視する「燃費」「快適装備」「購入予算」のどこに軸を置くかで最適解は変わってくる。乗り換えを検討中の方は参考にしてもらいたい。






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