あらかじめ「誤植ではない」とおことわりしておこう。ジープではなくジムニーでもない、「ジプニー」である。ジープの車体を流用した改造車を源流とし、「同じ仕様は1台もない」といわれる、フィリピンの「国民車」的乗り合い自動車だ!!
※本稿は2025年9月のものです
文:柴田直治/写真:ステランティス、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年10月10日号
24時間営業の乗り合い自動車!?
フィリピンの国民車はジプニーをおいてほかにない。第二次大戦後、米軍が残したジープの車体や部品で手作りしたことが起源の乗り合い自動車だ。
今も街の工場で注文生産され、一台一台にオーナーの思いがこもった派手なグラフィックが描かれているのも特徴だ。
走行路線は決まっているが、時刻表も停留所もない。道で人が手を挙げると止まる。長椅子に向き合う形で座り、料金は後ろの人から前の人へとリレー方式で運転手に届く。お釣りも手渡しで戻る。降りる時は「ここで」と叫ぶ。
24時間走っており、初乗りはマニラで13ペソ(約33円)。庶民の足だが、日本大使館員や駐在員はまず利用しない。
その理由は、かつて、強盗が乗り込んで乗客を拳銃で脅し、金品や携帯電話を奪う事件が多発したため。日本大使館員や駐在員には乗車禁止令が出ているのだ。













コメント
コメントの使い方