各社が年度末決算を迎える2~3月はディーラーも積極的なセールスを展開するため好条件で新車が狙えるチャンス。そのなかでオススメのモデルはどれなのか? 新車販売事情に詳しい流通ジャーナリスト遠藤徹氏が、お得に買う方法も合わせて伝授!
●決算セールでお得に買うポイント
1. 「買い得企画」の中身を調べる!
2. 決裁権のある店長が控える週末フェアを狙え!
3. 最強ライバル車に加え、同じ車種同士も競合させる!
4. 週末から週末までの8日間の交渉スケジュールで立案!
5. 低金利残価設定クレジットがお得!
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※本稿は2020年2月のものです。本企画中の値引き額は遠藤徹氏調べのもの。値引きは販売店や装備内容などによって異なります
文:遠藤 徹/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2020年3月10日号
■そもそもなぜ? 年度末決算で新車が安く買える仕組み
毎年3月は年間で新車が最も安く買える時期になっている。自動車メーカーの決算月であり、販売会社も1台でも多く売ろうと大型のキャンペーン企画を展開するからだ。
販売会社は決算商戦といわれる2~3月の期間に販売目標を設定し、これを達成するために買い得企画を実施する。メーカーもこれを支援するため拠出金の大型予算を組む。
この資金が新車の値引き上乗せ、オプションサービス、下取り車の高価格買い取り、残価設定クレジットの金利引き下げ、キャッシュバック資金などに使われるので、この時期は新車がいつも以上に安く買えるわけである。
そしていずれのキャンペーン企画も、今年の決算商戦は大型化している傾向にある。
新車の値引き幅はナビ、ETC付きの小型車クラスで5万~10万円に拡大。ナビなどのオプションサービスも、サービス額が増えている。利用者が多くなっている残価設定クレジットも金利を引き下げて実施していて、実質年利を1.9%に設定する車種が大幅に増えている。
また今年のキャンペーン展開は、この時期に主軸となるニューモデルの発売が数多く集結しており、これらを前面に押し出して盛り上げを図っていることも特徴だといえる。
例えばトヨタはヤリスはじめライズ、RAV4、カローラ、日産はルークス、ホンダはフィット、N-WGN、スズキはハスラー、ダイハツはタント、ロッキー、マツダはCX-30、そして三菱はeKスペース/eKクロススペースなどの車種である。
ただし、この決算セールで新車をできるだけ安く買いたい場合は、これらニューモデルにあまり目を奪われず、買い得企画の中身に着目することだ。
特に毎週末に開催される週末フェアを中心に商談を進める。週末は大幅値引きの決裁権を持つ店長が控えているため、交渉をスピーディに進めやすいからである。
商談スケジュールは2~3月の土曜日の午前中に始まって翌週の日曜日午後に決着という8日間で進めるスケジュールがベストな作戦といえる。
この間にお目当て車、ライバル車の見積書を作成し、ライバル車や同じ車種同士の競合などを多彩に組み合わせて商談を展開すると好条件が引き出しやすくなる。
■決算セールで狙いたい値引き大の買い得車20モデル
決算セールで値引きが大きいお買い得な20車は、
・トヨタがヴォクシー3姉妹とハリアー、クラウン
・日産がセレナとエクストレイル、ノート
・ホンダがステップワゴンとシャトル、CR-V
・マツダがマツダ6とCX-5
・三菱がデリカD:5とエクリプスクロス、アウトランダー
・スバルがレヴォーグとレガシィ、インプレッサ
・スズキがソリオとエスクード
・ダイハツがブーン
である。
値引きが大幅になるのはそれなりの理由がある。それは「モデルが古くなり、リセールバリューが落ちている」「新しめでも強力なライバルが存在する量販戦略モデル」、このふたつが挙げられる。
両方の要素が重なれば、さらに値引き幅は拡大する。
発売したばかりの新型車は売り手市場になるからガードは固く、値引きは車両本体からは小型車で5万~10万円くらいしか引かない。
それが半年くらい経過すると5万円の上乗せ、1年で10万円、1年半で15万円、2年で20万円と値引きは拡大していく。
メーカーやディーラーオプションは車両とは別に、メーカーオプションは定価の5%分、ディーラーオプションは10%分が値引きに加算されると思っていい。
今回の決算セールであれば、これらとは別に安くなる要因が加わる。決算セールの買い得企画がプラスされるからである。こうした状況は一様ではなく、交渉の仕方でも値引きは大きな格差が生じる。
また、メーカーによる違いも頭に入れておく必要がある。トヨタは商品力も販売力もダントツなので、全般的にガードが固い。ただし、日産、ホンダなどの人気の高いモデルと競合させると徹底的に勝負をして、大盤振る舞いの値引きになるケースもある。
日産は現時点で古いモデルが多いので、大幅値引きがゲットしやすい状況にある。特にトヨタ、ホンダ車と対抗させると好条件が引き出しやすくなる。
ホンダはガードが固めだが、登録車はトヨタ、日産、軽自動車はダイハツ、スズキと競合させると大幅値引きを引き出しやすい。マツダ以下各社は登録車であればトヨタ、日産、ホンダのライバル車と競合させると好条件になる。
競合で大切なことはライバル車と対決させるだけでなく、同じメーカーの同一車との競り合わせを組み合わせることである。
トヨタ、ホンダ、マツダなどの人気ナンバーワン車だと、これより人気の低いライバル車と競合させても人気車の販売店は相手にしないケースもある。
こうした場合は、他系列店や同じ車種を扱う別法人の店舗であれば競合が可能だから、これらの同一車種で競合させれば、相手にせざるを得なくなる。
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