新型ホンダ プレリュードに「617万9800円」の価値はあるのか!? 乗ってわかった意外な評価って?

新型ホンダ プレリュードに「617万9800円」の価値はあるのか!? 乗ってわかった意外な評価って?

 2025年9月、驚きの「6代目」が登場したホンダ プレリュード。5代目と比較すれば文字どおり「隔世の感」というほど進化しているが、気になる新型の価格「617万9800円」を出すほどの価値はあるのか? 試乗を終えたお2人が判定!!

※本稿は2025年9月のものです
文:片岡英明、国沢光宏/写真:ベストカー編集部、ホンダ
初出:『ベストカー』2025年10月26日号

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走りのよさや官能性は高評価! 内装装備はもう少し充実を(片岡英明)

「ホンダS+シフト」の気持ちよさは新鮮。e:HEVの新たな魅力だ
「ホンダS+シフト」の気持ちよさは新鮮。e:HEVの新たな魅力だ

 最終プロトタイプに乗って驚かされたのは、優等生だと思っていたe:HEVがヤンチャ坊主だったことだ。鳴り物入りで採用された「ホンダS+シフト」はドライバーの運転操作とクルマの応答がシンクロし、意のままの走る楽しさを五感で感じ取れる。

 S+スイッチを押すと気持ちいいエンジン音を響かせ、軽い変速ショックを伴いながらドラマチックな加速を楽しめた。回転を合わせての滑らかな擬似的シフトダウンも鮮やかだ。

 ステップATのようにドライバーの感性に合った気持ちいい変速フィールを実現している。ワインディングロードでは気持ちいい加減速を存分に楽しめた。

 痛快なハンドリングもチャームポイントだ。リニアで一体感が高く、驚くほど曲がる感覚が強い。狙ったラインにたやすく乗せることができ、意のままにクルマが向きを変える。バランス感覚のよさはタイプR以上で、快適性も高い。

片岡英明氏による新型プレリュードの採点チェック
片岡英明氏による新型プレリュードの採点チェック

 驚きの連続は販売価格にも表れている。なんと600万円超えのプライスタグだ。V6ターボを積むフェアレディZのボトムより高価だ。

 このあたり、スペシャルティカーとしてはおとなしいルックスだし、インテリアの質感も並のレベル。パワーシートやボンネットダンパーがないなど、装備に物足りなさを感じたのは残念なところ。価格に見合った装備が欲しいところだ。

今の時代に趣味性の強い2ドアクーペを出したことを評価!(国沢光宏)

2ドアクーペのプレミアムカーが今の時代に登場したことに意義がある。走りのよさも魅力
2ドアクーペのプレミアムカーが今の時代に登場したことに意義がある。走りのよさも魅力

 新型プレリュードの記事をネットに書くと、必ずや「高い!」というコメントが付く。たしかにGR86やフェアレディの価格と比べたら割高に思う。ホンダだってそんなこと百も承知。だからこそ月販目標は300台と多くない。

 私はクルマの価格について厳しい。プレリュードも月販3000台という目標なら、競合車と比べ、価格の評価をするだろう。

 月販3000台目標のクルマが売れないと自動車メーカーの業績に関わってくる。業績悪化はクルマ業界の活気を失う要因になるため、割高なら経営陣の判断を厳しく批判します。けれど300台であれば話は違う。

 この手のクルマ、自動車文化的に考えたら「趣味の対象」である。高いと思えば買わなければいいし、妥当だと考える人は買えばいい。そもそも月販300台という台数だと617万円で売ったって利益なんか出ないだろう。今や希少になったスポーツクーペを出してきたことを評価したい。

 以上を理解せず「高い!」と言う人は粋じゃないです。存在を無視すればいいじゃないか。

 ただ趣味のクルマであっても目標台数は大切だ。目標に届かなければ、お客のニーズと違うということ。単なる「作る側の自己満足」になってしまう。初期受注で1年分くらいの台数が出たらバッチリだと思う。

国沢光宏氏による新型プレリュードの採点チェック
国沢光宏氏による新型プレリュードの採点チェック

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