一口にローンと言っても、様々な借入先がある。クルマを購入する場合、代表的なのものはディーラーでのローンと銀行でのマイカーローンだろう。双方にメリットがありデメリットが生じるもの。それぞれどこがどう違うのか、自動車ローンの違いについて考えていく。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(トビラ写真=琢也 栂@Adobe Stock)
【画像ギャラリー】銀行ローンとディーラーローンどこがどう違うのか!? それぞれのライフスタイル・プランに合わせたご利用を!(3枚)画像ギャラリー審査の在り方が大きく違う
ディーラーローンと銀行ローン、どちらが融資審査に通りやすいかといえば、圧倒的にディーラーローンだ。なぜ大きな差になるかというと、審査における仕組みが大きく違うためである。
一般的な銀行ローンの場合、マイカーローンを使う際には「保証会社」というものが付く。これは、銀行が融資したお金が返済されなくなったときに、融資金を借主に代わって銀行に返済し、銀行から債権を移譲してもらう会社のことだ。
多くの銀行ローンの審査では、この保証会社がOKを出さなければ融資はほとんど決裁されないと考えていい。特にマイカーローンの場合には、クルマを担保に取らないから、銀行としては万が一の備えがない状態。保証会社が付かなければ、簡単には貸してくれないのだ。
保証会社の審査はかなり機械的である。信用にキズがついていればアウトだし、返済比率が規定を超えてもアウト。他社借り入れなどもかなり厳しく見られるし、サラリーマンではない自営業者などへも当たりが強い。ネット審査(仮審査)の段階でNGが来てしまえば、ほとんど借りられる可能性はゼロに近くなる。
一方でディーラーローンの場合、所有権留保というカタチでクルマが担保に入り、銀行ローンのような保証会社の存在は無いから、審査の基準は自社基準次第。銀行ローンのように敷居が高すぎるということもないので、ある程度の収入があり、返済の見込みがあれば自営業者でも借り入れは容易だ。
筆者も含め、まずはお金を借りられないとクルマが買えないという人も多いと思う。借りやすさという面では、圧倒的にディーラーローンがリードしているし、これはディーラーローンの利点とも言えるだろう。
金利が安いのは銀行ローンだが……
ローンで気になるのは金利だろう。利息は支払総額に大きく影響してくるので低ければ低い方が嬉しい。その点では審査の厳しい銀行ローンの方が、金利は低くなる傾向にある。
しかしながら、昨今ではディーラーローンの施策も変わってきており、特に残価設定ローン利用者には、低い金利で貸し出すディーラーも増えてきた。
また、銀行では使えない残価設定ローンを使うことによって、月々の固定された支払金額を引き下げることができ、金利は高くとも毎月の支払いは少ないということも起きうる。
さらに、銀行ローンの場合、保証料や印紙代と言った、ディーラーローンではかからない費用も加算されることも多い。目先の数字(金利)だけに踊らされることなく、トータルの使いやすさや費用を見通せると、それぞれのメリデメ(メリット/デメリット)がよく見えてくる。
お手軽さはディーラーローン!
車検証の表記の違い(銀行ローンは所有者自分、ディーラーローンは所有者ディーラー)や金利の面では銀行ローンが優位だが、仕組みや借りやすさではディーラーが上。
さらに細部に渡ってみていくと、借入手続きが簡単なのはディーラーローンだし、繰り上げ返済や一括返済などがしやすいのもディーラーローンだ。
金銭消費貸借証書というものを作る銀行ローンでは、繰り上げや一括返済の際に一度は銀行へ足を運ぶことが必要となり、手続きが億劫になることも。対するディーラーローンでは、ほとんどがネットか電話で完結。借り入れ手続きはクルマの購入手続きと同時に終わるので、ローンのためだけに時間を割くことも無くてイイ。
銀行ローンとディーラーローンの金利差も小さくなってきている昨今では、ディーラーローンのメリットが大きく目立つ比較結果となった。一般消費者に聞くと嫌われがちなディーラーローンだが、想像以上にメリットは大きいのだ。






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