コアなクルマ好きに刺さるようなデザインや性能などは持ち合わせていないものの、長らく多くのユーザーに漁れたというモデルは複数あるが、2004年9月に登場したトヨタの3列シートミニバンである「アイシス」もそんな車種のひとつと言えるだろう。
このアイシス、一世代のみで姿を消してしまったモデルとなるのだが、なんと2004年の登場から2017年まで13年という長きにわたって販売されたロングセラーモデルだったのだ。果たしてアイシスはどんなところがユーザーに支持されていたのだろうか。
文:小鮒 康一/画像:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ロングセラーには理由がある!! 多くの人々に愛されたトヨタ アイシス(8枚)画像ギャラリー大開口部を持つパノラマオープンドアが魅力
アイシスは前年の2003年にデビューしたウィッシュをベースとしたモデルであり、1.8Lと2.0Lのエンジンが用意される点や、基本は5ナンバーサイズ(エアログレードのみ3ナンバー)となる点などは共通。
ではどこが違ったのかというと、アイシスは両側スライドドアを採用していただけでなく、助手席側のBピラーをドアの内部に埋め込むことで、ドアを開けたときにピラーが残らない「パノラマオープンドア」を採用していた点だった。
このピラーレス(ドア埋め込み式ピラー)のスライドドア車は、元祖であるダイハツ タントや商用モデルのホンダ N-VAN、そして2003年に登場した2代目トヨタ ラウムが存在していたが、3列シート車への採用というのは1982年から1988年まで販売されていた日産プレーリーの初代モデルまで遡らなければならなかったのだ。
パノラマオープンドアを採用することで2列目や3列目シートへのアクセスがしやすくなるのはもちろんのこと、アイシスでは助手席シートを前側に跳ね上がることができるタンブルシートが採用されて後席の足元スペースを広大にすることもできた。
2列目シートの座面もチップアップさせることができたので、車両中心部を荷室としてパノラマオープンドア側から荷物を出し入れするという使い方も可能となっていた。
そして3列目シートは床下に格納することでフラットな荷室とすることもできたので、非常に使い勝手のよいものとなっていたのが支持された要因のひとつだった。
また価格もエントリーグレードとなるL “Xセレクション”の1.8Lモデルで170万円台、2.0Lモデルでも180万円台(デビュー時)と低価格であったにもかかわらず、助手席側に電動スライドドアが標準だったという点で買い得感が高かったのも理由と言えそうだ。









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