初代から2代目、大変身を遂げて大ヒット! 勝ち組になったデザインを解剖
名前からして四角いキューブ。初代は確かに四角かったが地味すぎた。が、ガラリと変わった2代目に我々は心を奪われた。当時“水かけ論”で大絶賛していた清水草一氏に、どこが素敵なのか改めて述べてもらおう。
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2代目キューブのデザインは、歴史に残るよ! なんせ、史上初の「和風自動車デザイン」なんだから!
日本はこれまで、さまざまなすばらしい工芸品を残してきた。その繊細かつシンプルなデザインセンスは、間違いなく世界に誇れる。が、そのセンスを自動車に落とし込むのは極めて難しい。やはり自動車は西洋文明のカタマリであるからして、そこに無理に和風デザインを導入すると、取ってつけたようになってしまうのだ。
ところが2代目キューブは、それを克服し、見事な和風自動車として世に送り出した。これは大変な偉業だ。
具体的には、和を感じさせるスクエアなフォルム。それはあくまで“静”であり、走ることを感じさせない。実に日本的で独創的だったネ!
エクストレイルまでも丸くなっちゃった。なぜSUVは「四角→丸」になっていくのか?
初代、2代目と堅実なヒットを続ける日産エクストレイル。四角ボディで見切りがいいクルマだ。が、3代目は「丸型」に。この大胆な変化に「四角いカタチを捨てて平気なのか?」と思うとともに、SUVやかつてのクロカン車は丸いデザインになるのが多い。なぜだろう?
「最近はラギッド感の強い無骨なデザインではなく、アーバン感覚のデザインを採用する4WDモデルが増えているよね。例に漏れず3代目エクストレイルもオーバルシェイプに変身。また、本格派クロカンのパジェロやランクルも、現行車は丸みを帯びたデザインに。アーバン感覚を取り入れたいということなんだろう」と傾向を語ってくれたのは片岡英明氏。
「でも今も四角いデザインにこだわるクロカンもある。四隅が把握しやすいから林道や悪路で運転しやすい。ベンツGクラスやレンジローバーなど輸入車には四角いモデルが多いね」
どんどん丸くなるのは国産車の傾向という感じなのか……。
プチヒット車の日産ラシーン。この四角グルマがクルマ界に与えた影響や残した功績とは?
専門店もあったほどの独特の世界観を持つラシーンだが、クルマ界に残した功績もありそうだ。鈴木直也氏はこう語る……。
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ラシーンの四角さは、レトロなテイストを表現するためのデザインテクニック。
昔のクルマは生産技術が未熟だったから四角いデザインが多かった。たとえば、ボディパネルの鉄板は強く絞れば割れやシワが発生する。そういう制約のなかでクルマを作るから、どれも似たような四角っぽいカタチになっていたわけです。
ラシーンは、こういう昔のデザインテイストを上手に盛り込むことで、なんとなく懐かしいクルマという雰囲気を醸し出していたのがお見事。新たな視点と手法をクルマ界に残したといっていい。消
費者のノスタルジーをくすぐる商品は、いつの時代でも手堅い人気を得るものだけどラシーンもしかり。生産終了後もその人気は根強く、中古車市場では意外な高値だった。それが人気を物語っている。





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