四角い商用バン、プロボックス&サクシード。他の商用バンにない魅力って何!?
過去を振り返ってもワゴン型の四角い商用バンはこれら以外に浮かんでこない。販売も好調で2013年の月販平均は3793台、2012年より約4%向上。四角い商用バンの魅力をおなじみの渡辺陽一郎氏へ聞いてみた。
「プロボックス&サクシードは着座位置が低いので、運転感覚がセダンに近くなじみやすい。左側の死角も小さく障害物を発見しやすく、ボディが四角いから四隅の位置もよくわかるのもメリット。全般的に車両の扱いやすさが魅力的だね」
四角の優位性がヒット背景にありそう。「まだある。四角いボディは空間効率に優れ、全高が1550mm以下なので立体駐車場も利用できる。こんな部分も大きいと思う」。働く四角グルマ、バンザイだ!
歴代四角さを貫いているステップワゴン。カタチでライバルに勝っている点はどこ?
人気の2Lミニバンのなかで、初代から4代目まで四角さを貫いているのがステップワゴン。
特に2代目はまさに角型で、あの前澤義雄氏に「何もデザインしていない冷蔵庫」と言わしめた猛者だ。その四角さゆえ、ライバルたちに勝っている部分もあると思うのだが……。
「まずは四角いボディであれば、車内を広く確保できる優位性。建物からコンテナまで広い空間を得るには角張った形状が効率的だから、クルマも同じ。
また、背の高いミニバンではFFを最初に採用したのがこのクルマで、床を低く抑えて室内をさらに広くした」と渡辺陽一郎氏は語る。
なるほど。広さを確保するにはやはり「四角は偉大」なわけだ。「車内のスクエアさにより3列目シートを畳んだ時の収まりもいいから、大きな荷物も積める。この優位性もある」。今後も四角を貫くにちがいない!
四角い乗用タイプミニバン、ラフェスタ(最終型)はなぜ破れてしまったのか!?
乗用タイプミニバンでスクエアなデザインといえば、日産ラフェスタ(最終型)。リア部が四角になっているので3列目シートまわりは多少のゆとりを感じられたが、販売は苦しく絶版に。なぜ、そうなってしまったのか。片岡氏へ聞いてみた。
「家族に的を絞り実用性が高く、運転もしやすかったので女性ユーザーを中心に評価は高かった。が、作りがマジメすぎて華やかさに欠けたこともあり販売は今一歩だったね……」
でも、四角いカタチで中は広かったのになぜダメ?
「結局車内の広さを望む人はセレナなどの1BOXミニバンへ走る。そうなると乗用タイプでは太刀打ちできない。同じ悩みはエクシーガにもあるはず」
社内にライバルがいたとは……。
角をとって国内では大ヒット。つまりボルボは「丸いほう」が正解だった!?
ボルボの2013年の日本国内販売台数は前年比21.9%も増加。お手頃価格のV40をはじめ、最近のボルボは往年のイメージを覆すほどの丸みを帯びたモデルが多い。「“四角のボルボ”、実は丸くしたほうがいいのでは?」と思ったりもするが……。
「ボルボのデザインコンセプトが見た目の頑丈さから、先進的でスマートなセフティイメージへ移行。丸みを帯びた背景のひとつにはこれがあるね」というのは鈴木直也氏。続けて言う。
「ボルボが重視する価値観は昔から“安全”。240などの時代はいかにも頑丈そうな四角いボディが安全イメージと直結。説得力のあるブランドアイコンになった。でも、2代目V70あたりから「四角離れ」が始まる。
その理由は衝突安全だけではライバルに対するアドバンテージを保てないことだが、新時代の安全装備がスマートなセフティイメージへ移ったことも大きい」。
時代が求める安全性が自然と四角から丸というカタチに表われているわけだ。





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