エアコン温度を1度下げるとリッター2kmも向上!? 冬だからこそ実践したい燃費を伸ばすHEV運転術

エアコン温度を1度下げるとリッター2kmも向上!? 冬だからこそ実践したい燃費を伸ばすHEV運転術

 ハイブリッドカーはこれからの冬の時期に燃費を伸ばしにくくなる時期だ。期待通りの走りとはいかなくなることも多い。そこで、少しの工夫で燃費が大きく改善する、冬場のハイブリッドカー燃費運転術を紹介していきたい。実践すれば、HEVに厳しい冬でも満足のいく燃費になるはずだ。

文:佐々木 亘/画像:トヨタ・Adobe Stock(メイン画像=hiroYamaD)

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冬に燃費が落ちていくハイブリッドカーの謎

寒い冬場はエンジンの水温を積極的に上げるためエンジンの稼働時間が増え燃費が落ちる(和久 澤田@Adobe Stock)
寒い冬場はエンジンの水温を積極的に上げるためエンジンの稼働時間が増え燃費が落ちる(和久 澤田@Adobe Stock)

 筆者は10年以上HEVのクルマに乗っていて、季節ごとの燃費変動を肌で感じているユーザーの一人だ。最も燃費が良いのが春の終わりごろと夏から秋への移行期。次にいいのが夏で、最も燃費が悪化するのがこれから迎える冬となる。夏場は20km/Lくらいを示す燃費計が15km/Lを切る、あるいは10km/Lあたりまで落ち込むこともあるのだ。

 このような大きな燃費変動の要因は、クルマのエンジンの稼働時間が長くなることにある。

 通常、HEVのエンジンはモーター動力が不足した加速時や、ハイブリッドバッテリー充電のため稼働する。これに加えて、冬場は「水温を高く維持するため」にエンジンが稼働し、余計に燃料を使用してしまうのだ。

 クルマの水温を下げる要因は、低い外気温と暖房。特にHEVの燃費には、冷房よりも暖房の方が悪影響を及ぼすことを、知っておいて欲しい。

エアコンの温度設定を1℃下げてみませんか?

室内を温めようとエアコンの温度を上げるとエンジンは発熱しようと稼働するため燃費悪化に繋がる(ZoomTeam@Adobe Stock)
室内を温めようとエアコンの温度を上げるとエンジンは発熱しようと稼働するため燃費悪化に繋がる(ZoomTeam@Adobe Stock)

 水温が低下し、エンジンが再稼働するタイミングは、エアコンの設定温度と密接に関係している。車種ごとに制御は微妙に違うが、暖房温度とエンジン動作の関係性を見ていきたい。

 まず、エンジンが完全に冷えた状態でREADY ONする。エアコンOFFのままエンジン暖機が終わるまで待つと、この時の水温計はおおよそ40℃を指した。

 この状態で、エアコンを設定温度25℃で動かす。すると、水温40℃でもエンジンは再び暖機に入る。そして水温55℃でエンジン停止。その後、暖房の作動と外気温の影響で水温は下がっていき、水温48℃になった時点で、再びエンジンが動き出す。基本はこの動きを繰り返していくのだ。

 エアコンの設定温度1℃上げて、26℃に変更したらどうなるのか。この時、再び暖機運転が始まるのは、水温計が58℃を示したところ。つまり、エアコンの設定温度を1℃上げると、水温を10℃余計に上げるまで暖機運転が増えるということだ。エアコンの設定温度が高ければ高いほど、水温を高い状態で維持しようとエンジンが早いタイミングで動き出す。

 つまり冬場は、エアコンの設定温度を下げるほど燃費はよくなっていく。筆者が行った実験では、エアコンの設定温度を1℃下げるだけで、燃費は2km/L程度改善した。

冬は水温計も要チェック! シートヒーターも積極的に使って!

シートヒーターを使って体を温めることで無駄な暖気を減らし燃費向上も狙える(SOLDATOOFF@Adobe Stock)
シートヒーターを使って体を温めることで無駄な暖気を減らし燃費向上も狙える(SOLDATOOFF@Adobe Stock)

 冬場はできるだけ、停止中に無駄な暖機をさせないことが、燃費の改善に大きく繋がっていく。そのためには、クルマを走らせるのが一番。そこで、水温が低いうちは、エンジン走行を促し水温をしっかりあげてほしい。エンジンが温まり切れば、通常のモーター走行を積極的に使う走り方に切り替えてOKだ。

 また直接水温に影響しないシートヒーターを積極的に使うのも、冬の燃費節約術のひとつ。これもしっかりと活用していきたい。

 こうした工夫ひとつで信号待ちなどの停車時に、水温維持のためにエンジンが動き出すことが少なくなり、目的地までの区間内で、暖房のためだけにエンジンが動く状態を短くすることができる。

 灯油や暖房費で厳しい冬のお財布も、クルマの燃費が良くなることで、少し楽になっていくぞ。

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