今では近隣の移動に最適な超小型モビリティというジャンルが存在しているが、20年以上も前にそんなコンセプトを持ったモデルが実際に販売されていた。それが2003年1月にスズキが発売した「ツイン」である。
文:小鮒康一/画像:スズキ、ベストカーWeb編集部
1999年にはほぼ完成していた?
ツインの祖は1999年に東京モーターショーに参考出展された「Pu3コミュータ」というモデルで、気軽に使えて環境にも配慮したシンプルな2人乗りスモールカーという”スクーター感覚の四輪車”として展示されていた。
このとき、エクステリアのデザインはほぼ市販のツインと同等のもので、パワートレーンはガソリン、ハイブリッド、BEVとユーザーの使い方に合わせた3種類が用意されると謳われていた。
実際に販売された際にはBEVはラインナップから外れ、ガソリンとハイブリッドの2種類となったが、このツインハイブリッドは市販軽乗用車としては初のハイブリッドモデルとなっている。
脅威の50万円切り! MTのみの激アツ仕様!
ただし、このハイブリッドモデルはあくまでガソリンモデルをベースとした改造車扱いで、車両型式も「EC22S改」となっており、駆動用バッテリーもバイク用のバッテリーを改良して搭載するという手作り感の強いものだった。
そんなツイン、ハイブリッドモデルも注目ではあるが、なんといってもガソリンモデルの安価さが大きな特徴で、最も安いモデルでは49万円(税抜)と圧倒的な低価格を実現していたのである。
さすがにこの最廉価モデルにはエアコンもパワーステアリングも備わらず、5速MTのみという仕様となっていたが、近隣の移動として割り切るのであれば全くナシとも言えないものだった(20年前はまだここまで夏の暑さも厳しくなかった)。
また、遅れて追加されたベースグレードのエアコン、パワステ付グレードでも65万円と、こちらも圧倒的な安価っぷりを見せていたのである。
ツインもいまになって再評価か!?
一方、ハイブリッドモデルについては快適装備の備わらない「ハイブリッドA」でも129万円、快適装備付の「ハイブリッドB」では139万円と一気に高価となり、実際に販売をするというよりは“こんなこともできますよ”というアドバルーン的な存在だったと言えるだろう。
結局ツインはわずか3年弱という短期間の販売に終わってしまい実質的な後継車種も登場しなかったが、近年その存在が再注目され、中古車相場も上がっていることを考えると登場するのが早すぎた1台ということになりそうだ。
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