ランボルギーニをスーパーカーメーカーとして世界に認識させたカウンタック初代モデル「LP400」をクローズドコースで全開走行。半世紀という歴史を紡いできた名車の性能をチャレンジャー武井氏がレポート!! スーパーカー世代必読!!
※本稿は2025年11月のものです
文:チャレンジャー武井/写真:音速movies
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
燦然と輝く“キング・オブ・スーパーカー”
長年「スーパーカー劇場」の連載を続けているが、意外にもこれまでカウンタックLP400を正面から取り上げていなかったことに気づいた。あらためて“キング・オブ・スーパーカー”の源流に立ち返ってみたい。
カウンタックについては、すでに多くの媒体で多角的に掘り下げられており、私自身も雑誌や映像コンテンツなど、さまざまな企画で関わってきた。
公道試乗はもちろん、高速道路、サーキット、さらにはオーバルコースでの最高速チャレンジまで、まさに“縁の深い一台”である。今回は、そのなかでもクローズドコースでの全開走行インプレッションを中心にお届けしよう。
LP400という存在
まずはLP400というクルマの生い立ちから振り返っておきたい。
『サーキットの狼』に端を発する空前のスーパーカーブームに沸いた1970年代。当時の少年たちを熱狂させた中心的存在が、このランボルギーニ カウンタックだ。インパクトのあるウェッジシェイプのデザインもさることながら、そのスペックこそ“スーパーカー”の名にふさわしいものだった。
カウンタックが初めて登場したのは1971年のジュネーブ・モーターショー。正式な量産モデルではなく、プロトタイプとして展示されたそのクルマには自動車媒体はもちろん、来場者からも熱い視線が向けられた。
その後、市販化されたLP400に搭載されていたパワーユニットは、ランボルギーニ初の市販車「350GT」に搭載されていたエンジンを改良・熟成させたもの。
「ミウラ」にも受け継がれた際は、排気量を3.5Lから4Lへ拡大。さらに「400GT」にも搭載され、LP400へとその血統が引き継がれた。
当時、最高速度は時速300kmと発表され、スーパーカーブーム期にはフェラーリ365GT4BBと最高速を競い、そのライバル関係が少年たちをさらに夢中にさせ、1970年代スーパーカーの象徴となった。
アクセル全開こそスーパーカーの真骨頂
スイングアップ式のドアを跳ね上げ、コクピットに身を沈める。誰もが目線の低さに感動を覚えることだろう。シートポジションの調整幅は小さく、ドライバーがクルマに合わせて操作する必要があるのも特別感がある。
今回は制限速度のないクローズドコースということで、遠慮なくアクセルを全開にした。
自然吸気12気筒エンジンが放つポテンシャルとトルク感は圧倒的。ピークパワーは8000rpmで発生する高回転型で、アクセルを床まで踏み込むと、空気が震えるほどのエキゾーストノートとともに怒涛の加速が始まる。
レッドゾーンまで回した際のエキゾーストノートは、往年のV12気筒エンジン搭載期のF1マシンを彷彿とさせる。
現代車のようなトラクションコントロールは存在しないため、ホイールスピンを避けるには繊細なアクセルワークが不可欠だ。駆動がつながり、リアタイヤが路面を蹴った瞬間…… そこにLP400の真髄が凝縮されている。
ゲート式のシフトを備えるトランスミッションは操作性に優れ、ギア比は比較的ワイド。公道なら2速固定でも充分走れるほどだ。
参考までに1速で800 0rpmまで引っ張ると107km/h、2速では122km/h。3速から4速へシフトアップする頃には、スピードメーターはすでに200km/hに達している。公道で2速4000rpm時は約60km/hと、LP400のギア比がいかにロングかがわかる。






















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