自転車の交通違反と罰則を弁護士が解説! 知らないと違反になる行為とは

自転車の交通違反と罰則を弁護士が解説! 知らないと違反になる行為とは

 2026年4月1日から、自転車での交通違反に青切符制度が導入される。自転車の交通ルールを改めておさらいしているが、知るほどに新たな疑問も湧いてくる。そこで法律のプロである弁護士の先生にご協力いただき、疑問を一つずつ解決していく。

※本稿は2025年11月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部、Adobestock
初出:『ベストカー』2025年12月10日号

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青切符制度導入の日は刻々と迫っている。自転車の交通ルールを、法律のプロである弁護士の先生に質問しながらおさらいする
青切符制度導入の日は刻々と迫っている。自転車の交通ルールを、法律のプロである弁護士の先生に質問しながらおさらいする

 2026年4月1日から自転車での交通違反への青切符制度が導入される。

 自転車に乗る人が戦々恐々とするなか、警察庁が自転車のルールや取り締まりに関する姿勢をまとめた『自転車ルールブック』を発表。悪気がなくやっていること、やりがちなことが違反だとすれば、自転車乗りは今後認識を改める必要がある。

 そこで、ここでは法律のプロである弁護士の永岡孝裕氏に、Q&A形式でさまざまな質問を投げかけ、それについて回答をいただくことにより自転車交通違反の盲点を浮き彫りにする。

Q:自転車は30km/hを超えてはいけないのでしょうか?

住宅地などで増えているゾーン30(30km/h制限)は自転車も遵守しなければならない
住宅地などで増えているゾーン30(30km/h制限)は自転車も遵守しなければならない

 A:厳密な速度制限はありませんが、自転車運転者は安全運転義務を負い、すべての車両の運転者に対し、「他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」とされています(道路交通法第70条)。

 自転車は法律上「軽車両」であり、車両の一種とされています。そのため、標識等による制限速度の遵守義務があります(道路交通法第22条)。例えば、時速30km超の走行をした結果、制御困難となれば安全運転義務違反です。

 また、同法第70条により、見通しの悪い交差点や歩行者が多い場所を高速で走行し、危険を生じさせれば、安全運転義務違反に問われる可能性があります。

Q:駐停車禁止の標識は自転車にも適用されるのでしょうか?

 A:はい、適用されます。

 自転車は道路交通法上の「車両」(軽車両)に含まれます(道路交通法第2条第1項第11号、同項第8号)。

 したがって、道路交通法第44条(停車及び駐車を禁止する場所)や同法第45条(駐車を禁止する場所)の規定は、自転車にもそのまま適用されます。駐停車禁止の標識がある場所に自転車を停めることは、これらの条文に違反します。

 なお、自転車を押して歩いている場合は「歩行者」として扱われるため、この規制の対象外です。

Q:13歳未満の子どもと自転車でお出かけする時は、親も歩道を走っていいのでしょうか?

13歳未満の子どもと一緒なら大人の歩道走行も可能だが、歩行者優先が前提となる
13歳未満の子どもと一緒なら大人の歩道走行も可能だが、歩行者優先が前提となる

 A:はい、一定の条件下であれば認められます。

 自転車の歩道通行は原則禁止ですが、例外が定められており、以下の場合に例外的に歩道を通行できると定めています(道路交通法第63条の4第1項)。

・13歳未満の子供、70歳以上の高齢者、身体の不自由な方が運転している場合(同項第1号)

・「自転車通行可」の道路標識等がある場合(同項第2号)、車道又は交通の状況に照らして、自転車の通行の安全を確保するため歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき(同項第3号)

 13歳未満の子どもを保護する親が、その子どもと並走して安全を確保する状況は、上記第3号の「やむを得ないと認められるとき」に該当すると解釈されるため、子どもと一緒に歩道を走行することが可能です。

 ただし、歩道では歩行者優先で徐行する義務があります(同条第2項)。

次ページは : Q:傘スタンドを使用すれば傘さし運転の違反とならない?

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