キモは「独自の燃焼コンセプトを採用した発電専用エンジン」と「5-in-1」
第3世代e-POWERが大幅な燃費向上を実現できた理由は、モーター、インバーター、減速機に加え、発電用の発電機と増速機の5つの部品をモジュール化した「5-in-1電動パワートレイン」の採用と、発電に特化した新開発の専用ターボエンジン(ZR15DDTe)の2点にあります。
なかでも専用ターボエンジンは、エンジン運転を高効率領域にコントロールことで燃焼効率を上げる「STARC(Strong Tumble & Appropriately stretched Robust ignition Channel)」コンセプトを採用しており、42%という高い熱効率を達成。また、新たなバッテリー技術を組み合わせることで、最良効率点での定点運転を行い、e-POWER史上、もっとも優れた低燃費を実現することができました。
ちなみに、効率を最大化するための大型ターボの採用や、最終減速比の微調整も行われており、高速走行時のエンジン回転数を従来型より約200rpm低く設定していることも、低燃費に寄与しています。5-in-1電動パワートレインの採用も、従来のパワートレインよりも軽量化されたことで燃費性能向上に貢献しています。


日本の主力車種に続々採用へ! e-POWER新時代が始まる
大幅な燃費性能の向上と高い静粛性を実現した最新の第3世代e-POWERを搭載する新型キャシュカイは、2025年8月に欧州市場に投入されるや否や、高い評価を得ています。イギリスの自動車メディア、News UKが主催するザ・モーター・アワード2025では、2年連続でハイブリッド・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
日本でもe-POWER用高効率エンジンの燃焼技術が評価され、2025年度日本燃焼学会の「技術賞」を受賞しており、この第3世代ユニットが搭載されることが表明されている新型エルグランドでその実力を体感できるのが非常に楽しみなところ。
日本市場は、ストップ&ゴーの多い都市部から長距離走行の高速道路まで、走行環境の幅が非常に広く、そのどちらでも高効率が求められる特殊な市場です。さらに近年は、厳しい暑さ・寒さによってエアコン使用時の燃費悪化も避けられないというという難しさを抱えています。
そうした環境のなかで、新型エルグランドを皮切りに、ノートやセレナといった国内の主力e-POWER車もこの第3世代ユニットに切り替わっていけば、これまで高速燃費などの弱点を指摘されてきたe-POWER車のイメージを大きく塗り替えていくと思われ、日産の大きな武器になるはずです。
それにしても、電動化の最前線を走り続けてきた日産が、その過程で生み出した答えが「新たなエンジン技術」であったという事実は、非常に興味深い対比ですね。
【画像ギャラリー】実燃費約26.6 km/Lを達成!! 第3世代e-POWER搭載する欧州日産のコンパクトSUV「キャシュカイ」(24枚)画像ギャラリー
























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