中古車を購入しようとショップに出かけたら、「修復歴あり」の記載があるクルマを見つけた。「え? 事故歴あり!?」と思ってしまうが、じつは「修復歴あり車=事故歴あり車」ではないことを知っているだろうか?
文:山口卓也/写真:写真AC、Adobe Stock
【画像ギャラリー】「修復歴あり」と「事故歴あり」は別モノ?(7枚)画像ギャラリー「修復歴」とは何か?
修復歴と似た言葉に「修理歴」があるが、まず修復歴から。
JAAI(日本自動車査定協会)によると、修復歴とは「交通事故や災害などにより車の骨格部位(フレーム)に欠陥・損傷が生じ、修復(修正・補修)や部分的な交換を行なった履歴」を指す。
さらにその「骨格部位(フレーム)」と呼ばれるのは、具体的にボンネットタイプで言うと
・クロスメンバー(フロント、リア)
・サイドメンバー(フロント、リア)
・インサイドパネル(フロント)
・ダッシュパネル
・ピラー(フロント、センター、リア)
・ルーフ
・センターフロアパネル
・フロアサイドメンバー
・リアフロア(トランクフロア)
これらを指している。
逆に言えば、骨格部位以外のドアやフェンダーなどを損傷し、修復した場合は「修復歴あり」とはならない。
「修復歴あり」のクルマを販売する場合は必ず「修復歴あり」と表示する義務があり、これは個人が買取業者などに買い取りを依頼する場合も告知する義務がある。
修復歴があることを知っていながら隠して買い取りを依頼した場合は告知義務違反となることが考えられ、売却後に「事後減額請求」されたり、「損害賠償請求」される可能性大なので要注意。
ちなみに筆者は、リアバンパーとリアゲートを修復・交換した中古軽バンを購入したが、「修復歴あり」とは表記されていなかった。修復・交換した部位が骨格部位(フレーム)ではないから当たり前だが。
ただし、ショップからは「このクルマは後退時にリアをぶつけてリアゲートとバンパーを修復・交換しています。フレームに損傷はありません」とあらかじめ説明を受け、自身の目でもチェックしたが問題ないと判断した。
ちなみにこの部位の修復・交換の場合は「修復歴あり」ではなく「修理歴あり」という。
「修理歴あり」とは骨格部位以外の部位を修理したことのあるクルマを指し、これに表示義務はない。
とはいえ、ショップ側からあらかじめ表示義務のない修理歴の細かな説明を受けたことで、買い手としては信頼して購入することができたのは確かである。
⚫︎「修復歴あり」のクルマを購入する場合
「修復歴あり」のクルマと言っても、その損傷具合によっては安全に乗れるクルマもある。例えばフレームに軽い凹みがあり、それを修復した場合などだ。
修復歴のあるクルマは、修復歴のないクルマと比べて非常にお買い得な価格が提示されているはず。よって、あえてそのようなクルマを狙う人もいるだろう。
ただ、修復の程度・箇所・その原因となった事故や災害の内容はしっかりと把握しておきたいもの。
そのために、車両検査表や査定表と呼ばれるものを販売店へ提示を求め、その時の対応具合(見せない、もしくは出し渋りがないか? など)はしっかり見るべき。
また、自身で実車を確認し、ヘッドライトとボンネット、ボンネットやバンパー、ドアなどのチリ(隙間)が一定か? 試乗してどうか? などは必ずチェック。きちんと修復されていないクルマは、「なんとなく歪みを感じる」「ハンドルをまっすぐ持っていてもゆるやかに曲がっていく」などの違和感を感じるもの。
とはいえ、一般の人が「問題のない修復歴ありのクルマかどうか?」を判断するのは難しいので、自信のある人以外は購入を控えたほうがいい。








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