セダン並みの車高と室内空間は両立せず!? 「ホンダ ジェイド」
中国市場を中心としたグローバルモデルとして2013年に誕生し、2015年から国内での販売をスタートしたのがホンダ ジェイドだ。
ストリームとオデッセイを統合する位置付けとされたジェイドは、全高をセダンに迫る1530mmに抑えることで実現したスタイリッシュな外観と、立体駐車場も利用できる使いやすさを両立。
さらに低床化と6人乗り3列シートを採用した居住性の高さを狙うとともに、ワイドかつ低重心な安定性の高いボディと動力性能に優れる1.5リッターの直噴ターボまたは直噴ハイブリッドというパワートレインとの組み合わせで、ファミリー層から走りを重視するユーザーまで狙った作りとなっていた。
ところがこうしたコンセプトがユーザーの目には「ミニバンとしては中途半端」と写ってしまってせいか、販売の方は低迷。
補助席的な扱いの3列目シートは足元も狭く窮屈で実用性に欠けるうえ、2列目のシートも1列目と比べて座面の奥行きが短く居住性や快適性に乏しいのがその主な原因で、ラゲッジスペースも積める荷物の大きさに限界があり、ファミリーユースとしては、ライバルと比べて使いづらい印象を与えてしまった。
2018年に行われたマイナーチェンジでは、そうした点を考慮してかスポーティなガソリンモデルである「RS」に2列シートの5人乗りを新たに追加。
安全装備である「Honda SENSING」を全グレードで標準装備とするなどのテコ入れも行われたが、1.5リッタークラスのミニバンとしてはやや高額なこともあってかその後も売り上げが上向くことはなかった。
その2年後の2020年をもって姿を消すこととなったジェイド。5年間での販売台数は3万台に及ばないものだった。
貿易摩擦解消という大任を背負わされた不運なクルマ 「トヨタ キャバリエ」
自動車をはじめとするさまざまな品目で、日米間の貿易摩擦が問題となっていた90年代。その緩和を図るという大きな使命を背負い、1996年に日本市場へと投入されたのがトヨタのキャバリエだ。
前年に登場したシボレー キャバリエをGMから輸入するカタチでトヨタへとOEM供給し、日本国内向けに右ハンドル化やウインカーレバーの右側への移設などの仕様変更を実施。4ドアセダンと2ドアクーペという2つのボディスタイルが用意されていた。
4ドアセダンで全長4595mm×全幅1735mm×全高1395mm、2ドアクーペは全長4600mm×全幅1740mm×全高1355mmと、アメ車にしては比較的コンパクトなサイズで、ある意味日本の道路事情には適していたとも言える。
さらに150万円を切るグレードも設定された割安感のある価格に、トヨタならではの安心のサービス体制、加えてアメ車といえばこの人と言える人気タレント、所ジョージをCMキャラクターとして起用するなど、その販売にはあらゆる面で万全の体制で揃っていたものの、セールスの方はなぜかさっぱり……。
年間2万台とされた販売目標の半分も達成することができず、予定していた販売期間である5年間を前倒しするカタチで、2000年をもって国内での展開を終了することに。
その理由はさまざま考えられるが、アメ車のなかでも廉価モデルという位置付けであったキャバリエの品質が、ライバルとなる日本車と比べるとどうしても一段落ちる印象が否めなかった点。
また、車格が小さく保守的な作りのキャバリエは、日本人が持つ、大きく、個性的で存在感のあるアメ車のイメージとはほど遠く、目の肥えた日本のユーザーには刺さらなかった点も大きい。
日本車ほどの品質の高さもなくアメ車しての魅力にも欠けるという中途半端な存在であったことも人気がなさにつながってしまったというわけだ。
クルマに対するニーズは、時代背景や市場の動向、技術的な面など、さまざまな要素に大きく左右されるもの。
今回紹介した4つの車種は、そのコンセプトがユーザーに理解されず、どっちつかずの中途半端なモデルとして不遇な扱いを受けたのは事実だが、すべてが悪いかったり劣っていたわけではない。
同様のコンセプトを受け継いだクルマが再び現れ、時代にマッチする日が、もしかしたらある……かもしれない。
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