なんであっという間に消えちゃったの? 販売期間の短さ順「短命グルマ」ランキングTOP5

なんであっという間に消えちゃったの? 販売期間の短さ順「短命グルマ」ランキングTOP5

 昔は4年、いまでは6~7年とフルモデルチェンジサイクルが長くなっている昨今、「えっ、もう消えたの!?」とたった1年あまりで消えてしまう短命グルマがありました。今回は、販売期間の短さ順で、短命グルマランキングTOP5を紹介します。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部

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1位/三菱 プラウディア/ディグニティ:販売期間1年1カ月

プラウディアはセルシオ、シーマに匹敵する大型サルーンで、3.5L、V6と4.5L、V8のGDIエンジンを搭載。FFのハンドリングは高級車として不評だった
プラウディアはセルシオ、シーマに匹敵する大型サルーンで、3.5L、V6と4.5L、V8のGDIエンジンを搭載。FFのハンドリングは高級車として不評だった

販売期間:2000年2月~2001年3月
販売台数はプラウディア1228台、ディグニティ59台

 日本車史上で最も短命に終わった1台が三菱プラウディア/ディグニティ。その販売期間は1年1カ月と超短命だ。韓国の自動車メーカーのヒュンダイと共同開発した大型セダンで、当時のライバルはトヨタセルシオ、日産シーマだった。エンジンは当時三菱が推進していたGDIで、3.5L、V6と4.5L、V8という超豪華ラインナップを誇った。

プラウディアのホイールベースを延長したリムジン仕様がディグニティ。グリル、センターピラーほか重厚感は半端ないが、累計で59台しか売れなかった
プラウディアのホイールベースを延長したリムジン仕様がディグニティ。グリル、センターピラーほか重厚感は半端ないが、累計で59台しか売れなかった

 このプラウディアのホイールベースを250mm延長したリムジン使用がディグニティだ。こちらのライバルはトヨタセンチュリー、日産プレジデントだった。

 特にディグニティは三菱グループ御用達のハイヤーとしての需要がほとんどという状態。駆動方式がFFだったため、プラウディア、ディグニティとも後席の広さは充分だったが、高級車としてのハンドリングは不評だった。

 姉妹車のヒュンダイエクウスが韓国で好調に売れて10年にわたり、販売されたのとは対照的な結果に終わってしまった。販売台数はプラウディア1228台、ディグニティはたったの59台。

FFだから足元にトンネルがないし、ホイールベースの延長分の250mmをスペース拡大に使っているのでディグニティのリアは超絶に広い
FFだから足元にトンネルがないし、ホイールベースの延長分の250mmをスペース拡大に使っているのでディグニティのリアは超絶に広い

2位/日産 マーチBOX:販売期間1年5カ月

2代目マーチの5ドアをベースにホイールベースは変更せず、リアのオーバーハング部分を260mm延長してステーションワゴンとしたのがマーチBOX
2代目マーチの5ドアをベースにホイールベースは変更せず、リアのオーバーハング部分を260mm延長してステーションワゴンとしたのがマーチBOX


販売期間:2002年3月~2003年8月
販売台数:約8000台

 K11型マーチをベースに、ワゴンテイストを盛り込んだ派生モデルがマーチBOXである。広いラゲッジと実用性を備え、ファミリー層や趣味ユーザーをターゲットとした。

 リアハッチにはプルハンドルとバックドアハンドルを設定し、後席を片手で操作できる6:4分割ダブルフォールディングリアシートとするなど、ショートワゴンながらワゴンに必須の能力も備えていた。

 ホイールベースはベース車と同じだが、リアのオーバーハングが延長されて全長は3980mm。室内は、全高を25mm高めたことで、頭上のスペースに余裕が確保された。

 販売面でも同社のパイクカーシリーズ(Be-1、パオ、フィガロ)のようなヒット作にはなり得ず、総販売台数は8000台あまり、たった1年5カ月で消滅した。

リアハッチにはプルハンドルとバックドアハンドルを用意
リアハッチにはプルハンドルとバックドアハンドルを用意

3位/スバル インプレッサ リトナ:販売期間1年6カ月

クーペとしては少々アンバランスで伸びやかさに欠けたリトナ。4ドアセダン、ワゴンと比べてユーティリティ面で劣ったため販売面で苦戦
クーペとしては少々アンバランスで伸びやかさに欠けたリトナ。4ドアセダン、ワゴンと比べてユーティリティ面で劣ったため販売面で苦戦


販売期間:1992年11月~1994年5月
販売台数:不明

 スバルは1995年1月に北米専用として販売していたインプレッサの2ドアクーペをリトナとして販売を開始。日産ルキノクーペ、サイノスなどの小さなクーペが若者向けに堅調に売れていたことに影響された形だ。「オトナのリトナ」というCMキャッチコピーからもその狙いが伺える。

 ハイパワーターボ+4WDという高い戦闘力をもつWRXとは対極の1.5L SOHC自然吸気エンジン(FF)と1.6L SOHC自然吸気エンジン(AWD)が搭載されていた。

 しかしセダン、ワゴンに続くモデルとして期待されたが、ライバルとは裏腹に販売面で大苦戦。その結果、わずか1年6カ月という短命に終わった。

 リトナ自体は売れなかったが、リトナをベースとした2ドアのインプレッサWRX STIは見違えるようにカッコよくなったのが記憶に残る。

4位/トヨタ ヴォルツ:販売期間1年8カ月

GMとの共同企画という珍しいスタイルで2002年8月に誕生した新型車ヴォルツ。当時、若者をターゲットとしていたネッツ店で販売された
GMとの共同企画という珍しいスタイルで2002年8月に誕生した新型車ヴォルツ。当時、若者をターゲットとしていたネッツ店で販売された


販売期間:2002年8月~2004年4月
販売台数:9012台

 ヴォルツは、トヨタ(シボレー)キャバリエの国内販売不振で学んだトヨタが、企画段階からGMと手を組み、トヨタ主導により開発したクロスオーバーSUV。車両の企画はトヨタとGMが共同で行い、設計と評価はトヨタが担当。

 生産は、GMとの合弁会社であるカリフォルニアの「NUMMI(New United Motor Manufacturing, Inc.)」で行われた。

 搭載エンジンは最高出力132psの1.8L直4DOHCが基本で、そのほかに同190psのハイチューン版1.8L直4も用意。トランスミッションは4速ATのほか、190psモデルは6MTを選ぶこともできた。

 走りは「可もなく不可もなく」といったニュアンスだったが、さすがは米国で企画されたクルマだけあって、前席と後席居住空間および荷室の広さは十分。クロスオーバーSUVならではの高めの最低地上高ゆえに、使いやすいクルマではあった。

 しかし、販売台数は9012台と低迷した。国産車離れした斬新なデザインが当時の日本人にはマッチしなかったことや、SUVに他ジャンルの特徴を融合させたクロスオーバーSUVの魅力が理解されるほど市場が成熟していなかったことも、販売が振るわなかった要因として考えられる。

5位/オートザム クレフ:販売期間2年3カ月

2代目ロードスターのような形状のヘッドライトの間にライトを埋め込んだフロントマスクが個性的だったクレフ。クロノスファミリー最後発で短命に終わった
2代目ロードスターのような形状のヘッドライトの間にライトを埋め込んだフロントマスクが個性的だったクレフ。クロノスファミリー最後発で短命に終わった


販売期間:1992年5月~1994年8月
販売台数:5258台

 マツダの多チャンネル戦略の一翼として登場したオートザム店のフラッグシップセダン。クロノスをベースに全幅1750mmの大型ボディを与え、内外装を上質に仕上げた。エンジンは2L&2.5LのV6と4WDには2L、直4が組み合わされていた。

 しかしこの頃のマツダは迷走していて、カペラをクロノスに変更し、そのクロノスファミリーを多チャンネルで違う名前で販売して売るほうも買うほうも大混乱。

 クロノスはマツダ店、アンフィニ店がMS-6、MS-8、ユーノス店がユーノス500、オートラマ店がテルスター、そいてオートザム店がクレフだった。

 CMでは落ち着いた大人の生活を演出したが、セダン需要の縮小も重なり、1年11カ月で姿を消した。販売台数は5258台。

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