ドイツが産んだ名車、ポルシェ 911シリーズを超えるフラッグシップ「928」の血統を受け継ぐ“944”にチャレンジャー武井氏が試乗。ポルシェFRスポーツの最終進化形を、おなじみチャ武氏が情熱たっぷりにインプレッション!!
※本稿は2025年12月のものです
文:チャレンジャー武井/写真:小林邦寿/車両協力:株式会社ブルーオート
初出:『ベストカー』2026年1月10日号
ショップのご厚意で944の完成形に公道試乗
今回は、現在、中古車市場で販売中のポルシェのFR駆動モデル「944」をインプレッションする。横須賀にあるブルーオートさんのご厚意により、現状コンディションを確認した。通常、中古車では試乗NGだが、購入を検討しているユーザーに代わり、この個体の状態をお伝えしたい。
紹介するのは1991年式のS2で、走行距離は8万3000km。メーカーが「サーキット走行もOK」とお墨付きを与えたクラブスポーツパッケージ装着車だ。
専用サスペンション、アルミホイール、大型ブレーキ、機械式LSDを装備。さらに大型リアスポイラーや、当時としては珍しいディフューザーなどの空力パーツも与えられている。944は1991年まで製造されていたため最終モデルにあたり、成熟した完成形といえる一台だ。
心躍る試乗前の現状チェック!
コックピットはシンプルながら高級感がある。ダッシュボードのひび割れや樹脂パーツの劣化はなく状態はよい。シートは背もたれの両側が張り出したデザインで、座り心地はソフト。944がスポーツカーでありながら上質さを備えていることが伝わってくる。
前後スライドは手動だが、座面高は電動調整が可能で、細かなポジション合わせにも対応。フロントウィンドウと頭部の距離が近く、視界が広い点も印象的だ。現代車では衝突安全基準の影響でダッシュボードが厚くなりがちだが、944は見切りがよく圧迫感も少ない。
エンジンの始動性は抜群で、アイドリングも安定。不安な点はなく、当時のドイツ車に多かった車内のビビり音こそあるものの、走りにはまったく影響しないレベルだ。
S2は4気筒3Lエンジンを搭載し、1989年に登場した。排気量が2.5Lから500cc拡大され、同じ944シリーズの220馬力の2.5Lターボに匹敵する自然吸気パワーを実現している。
トランスアクスルが生むバランスのよさに驚き!
トランスミッションは5速マニュアル。シフトフィールは抜群で、クイックに操作可能。クラッチも意外なほど軽く、駆動がつながる感覚が足裏にしっかり伝わるため扱いやすい。
FRでありながら、前後重量バランスをミドシップに近づける工夫がされており、ミッションをデフ後方に配置する「トランスアクスル」方式を採用。フロントミドシップ的な旋回性能を追求したポルシェの特許技術で、924、928に続いての採用となった。
加速性能とエンジンフィール
高速道路の加速車線でアクセルを踏み込むと、軽快にエンジンが吹け上がり力強く加速する。特に3速での加速は魅力的で、実に気持ちいい。エンジンは絶好調で、追い越し時もアクセルに即反応し、力強く加速していく。
非公式だがS2の最高速度は240km/hといわれ、実際のフィーリングからも充分に納得できる。ギア比計算では5速6100rpmで240km/hに達する。0-400m加速は6.8~7.1秒とされる(非公式)。自然吸気エンジンの魅力は中間加速のトルク感だが、S2はその点でも力強さが際立つ。






















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