優れた高速安定性と旋回性の両立
高速域での安定性も高い。さすがアウトバーンの国で生まれたクルマだけあり、風切り音も少なく、優れた空力性能を実感する。
旋回性も、35年経過しているとは思えない動きで、コーナリング中も終始安定。高速ジャンクションのコーナーでは、タイヤが路面を掴む感覚がステアリングを通して伝わり、挙動がつかみやすい。
さらに機械式LSDがしっかり仕事をしており、トラクションをかけると気持ちよく向きを変えていく。サーキット走行も試してみたくなる旋回性能だ。一般道ではしなやかで、突き上げる硬さがなく実に乗りやすい。
また、ブレーキも不安なく、踏力の調整でしっかり減速。実は今回が初めての944試乗だったが、「紛れもなくポルシェだ」と強く感じさせられた。
車両の状態とメンテナンス性
気になるのは今までの経歴だ。ちなみに試乗車は正規ディーラーのミツワ自動車から購入された。前オーナーが平成18年(2006年)から所有していた個体で、右フロントインナーパネル先端に軽微な歪みがあるため修復歴ありとなっている。
しかし実車を見る限りごく軽度で、走行にはまったく支障がない。旧車のため現状販売だが、試乗した印象では古さを感じさせないシャキッとした乗り味が健在だった。
944のエンジンはタイミングベルトを採用しているため、定期交換が必須。この年式になると正規ディーラーよりも、信頼できるポルシェ専門ショップに依頼することをおススメしたい。944は比較的販売台数が多かったため、国内の専門ショップもノウハウを豊富に持っている。
私が若かりしサラリーマン時代に勤めていた「スピードショップ東京堂」の先輩が退社して、ミツワ自動車の工場長を経て独立し、ポルシェ専門ショップを開業。944についてのトラブルをいろいろ教えてもらったが、しっかりメンテナンスをしていれば長く乗れるポルシェだという。
今後、944S2クラブスポーツは確実に希少価値が高まるだろう。350万円台で購入できるのは今だけかもしれない。興味を持った方はブルーオートに問い合わせてみてほしい。
94442型エンジン解説
S2に搭載されるのは、ポルシェ製2.5Lエンジンをベースにボア(内径)を104.0mmに拡大し、排気量を3Lへと拡大したボアアップ仕様の944/42型ユニット。4バルブ化も施され、最高出力は211psを発揮し、944ターボと同等のパワーを得ている。
実際に試乗してみると、ターボのような鋭い加速こそないものの、低速域からフラットかつ力強く伸びのある加速感は非常に扱いやすい。また、エンジン本体をバルクヘッド近くに搭載することで理想的な重量バランスを追求している点も、944の大きな魅力といえる。
●Porsche944 S2クラブスポーツ 1991年(H3年式)主要諸元
・全長×全幅×全高:4240×1735×1275mm
・ホイールベース:2400mm
・車両重量:1340kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHC
・総排気量:2990cc
・最高出力:211ps/5800rpm
・最大トルク:28.5kgm/4100rpm
・ミッション:5速MT
・駆動方式:FR
・サスペンション:F)マクファーソンストラット R)セミトレーリングアーム
・ブレーキ:F/R)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤサイズ:F)205/55ZR16 R)225/50ZR16






















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