昔、おもちゃやミニカーを集めていた人が、子供の頃に憧れたクルマを集めるようになる……。わりと「あるある」な話だが、北海道旭川在住の今野美樹夫さんはそれを超える。収集魂が高じてリサイクルショップを経営しているのだ!!
※本稿は2025年12月のものです
文:小沢コージ/写真:ベストカー編集部/写真提供:今野美樹夫さん
初出:『ベストカー』2026年1月26日号
リサイクルショップって……深い!
●今回のクルマバカ:今野美樹夫さん(64歳・北海道)
・所有車:1989年ランボルギーニ カウンタックアニバーサリー、1973年マツダ RX-3、1987年BMW M6、1988年アルピナ B7ターボ、スズキ フロンテクーペ ほか
・推定総額:ウン千万円
クルマ所有歴は高3でトヨタ セリカLB、大学で先輩譲りのスズキ フロンテクーペ、5万円のホンダ ライフ、中古トランザムを入手。就職後27歳から今に繋がるアルピナB7、30歳過ぎでカウンタック、M6、最近1957年式キャディからRX-3など。
いやはやリサイクル業がこれほど深イイ仕事とは思わなかったぜ。旭川で見つけた今野美樹夫さん。北海道じゃ伝説的なカウンタックオーナーなんだけど、気になったのは職業。
地元じゃ有名なあれこれ屋というリサイクルショップを1980年代からなさってるけど、このビジネスが一見ジミだが超オモシロい。そして宝の山なのだ。
元々父譲りのクルマ好きで、高3でセリカLBを買ってもらってた今野さん。その後も気に入ったクルマは全部買う人生を貫いてるが、それを支えるのがリサイクル業。
単に古い電化製品や雑貨を買い取り再生して売るだけじゃない。今や昭和アンティークから建物土地まで取り扱うマルチ再生業で遺品整理や引越手伝い、ゴミ屋敷片付けまで請け負う。
その本質は価値の再定義でありリボーン。根本はもったいない精神だが、鋭い物の見方が裏に潜む。まさに捨てる神あれば拾う神ありの具現化よ。
「リサイクル業は僕にとっての天職かと」
さて今野さん、生まれは北海道網走で、父は公務員の一人っ子。昔から両親や祖母にいろいろ買ってもらった物欲大魔王だった。街もイメージ的には高倉健だが、水産業が盛んで潤うところは潤っていた。
幼少期からトミカのミニカーを集めただけでなく、ソフビ怪獣やウルトラマン人形、ウルトラQグッズを収集。記念切手やコイン収集も欠かさず、しかも何でも取っといたし、オモチャも傷つくのが嫌で大切にするタイプ。根がコレクター体質なのよ。
一方クルマは当時日本で流行っていたハコスカやZにはほぼ興味なし。それより父がアメ車好きで、幼い頃はボルボ アマゾンやオールズモビル、シボレー カプリスなど愛用。
小中学時代は勉強やスポーツはそこそこにプラモデル作りに熱中。カウンタックを4台分買って赤青黄と塗り替えたり、戦車や戦闘機プラモにハマってジオラマ作り。プラレールからNゲージ、ブリキのオモチャにもハマった。
ただし勉学にはなかなかハマり切らず中学は帰宅部。高校は柔道部に入るも結局バイトにハマってフラッシャー付き自転車イジりに熱中。高3でセリカLBを買い、高校に乗っていくと先生に「俺たちよりいいのに乗ってる」とバレて正座させられる始末。
かたや大学は建築や設計が好きで旭川の某建築学科に入るも、数学や計算が苦手で卒業後は地元網走の水産加工会社に就職。するとオイルショックの衝撃か2年で倒産。たまたま知り合いの社長からリサイクルショップを始めるので手伝わないか? と誘われ、短期バイトを開始する。ここが運命の別れ道だった。
たかが人口4万人の網走市。当時はリサイクルも珍しく、地道に買い取りから始めるが、まともな売主もいれば、夜逃げ寸前で家に電気水道が通ってない人物までいる。見てはいけないものを見た。
すると知られざる裏街道人生の衝撃と同時に物欲マニアの血が爆発。当時すでに1970年代の懐かし面白い昭和アンティークが捨て値で出回っていた。
特に家主が消えた医者の家からは、1970年代のBOSEのスピーカーやセイコーの蓄音機、おしゃれプラスチック時計、オーダーされたミッドセンチュリー家具などお宝ざっくざく。当時この価値に気付く人は少なかったが、今野さんは震えた。これぞ天職!
1年後には人口30万人の旭川市であれこれ屋を独立開業。その他、当時のソニー スカイセンサー5900など流行りの電化製品は大量に売れたうえ、故障する箇所が決まってたり、パーツ互換が可能なのでカンタンに直せる。
物だけじゃない。土地や家屋ビルディングの価値は時代と場所と売主の状況で刻々と変わる。まさに捨てる神あれば……で、すべての物は適価、適したタイミング、適した人の手に渡れば生き返る。リサイクル業は再生業でありリボーン業。面白さに気付いた今野さんは止まらなくなるのよ。
スーパーカーもそう。小学校で憧れたカウンタックも30年前は手頃で、新車で衝撃をウケたサメ顔のBMW6シリーズも10年後にはアルピナ版やM6も買える。すべての欲しいものは買える時に買うべし! 後は目利きさえできればなんとかなるのだから。
【画像ギャラリー】コレクターからリサイクルショップを開業!? リサイクルショップ店主は伝説的なカウンタックオーナー!!(27枚)画像ギャラリー






























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