「情熱の火を灯せ」トヨタが電撃社長交代で「業界連携×稼ぐ力」アップ!! 佐藤恒治氏は副会長CIO、近健太氏が社長CEOへ

「情熱の火を灯せ」トヨタが電撃社長交代で「業界連携×稼ぐ力」アップ!! 佐藤恒治氏は副会長CIO、近健太氏が社長CEOへ

 トヨタ自動車は、2026年4月1日付の役員人事を発表した。代表取締役社長の佐藤恒治氏は、代表取締役副会長に就き、新設される「Chief Industry Officer(CIO)」を兼務する。同時に、現在執行役員の近健太氏が社長兼Chief Executive Officer(CEO)に就任。日本自動車工業会の会長も務める佐藤氏が「産業全体」を見る立場に就き、近氏が「トヨタ社内」に軸足を置く体制へとフォーメーションを変え、経営スピードを上げつつ「産業報国」を果たす狙いだという。

文:ベストカーWeb編集部(局長T)、画像:トヨタ自動車(会見からのスクリーンショットと広報画像)

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「次期セリカはどうなりますか?」

「(社長交代を告げられて)やっぱりクルマ作りにこだわりがあったから、ショックではありました。とはいえ自分がいるべきところはどこで、やるべきことは何か、ということを考えた時に、主語を”わたし”にしてはいけないんだと思いました。主語は”わたしたち”にしなければいけない。わたしたちにとって一番いい選択、一番いい場はどこか、ということで、(副会長職の就任と自工会会長職への専念を)受け入れました」

 都内で開かれた会見冒頭、就任後3年で交代することになったトヨタ自動車の現社長・佐藤恒治氏は上記のように語った。

「まだ3年、だけど、もう3年でもあります。この3年って、かつての3年とはまったく違います。すごいスピードで進んでいます」

 と、自身の社長歴を振り返った。

会見で挨拶をする佐藤恒治社長と近健太CFO(2026年4月からはそれぞれ副会長兼GIOと社長兼CEOに就任)
会見で挨拶をする佐藤恒治社長と近健太CFO(2026年4月からはそれぞれ副会長兼GIOと社長兼CEOに就任)

 さて本題。トヨタ自動車は2026年4月1日付で、トップ体制を大きく組み替える。現・代表取締役社長の佐藤恒治氏は代表取締役副会長に就任し、同時に新設のChief Industry Officer(CIO)を兼務。新たに、現・執行役員で経理部門責任者であった近健太氏が、トヨタ自動車の社長兼CEOに就く。

 トヨタはこの変更を「佐藤が副会長・CIOとして産業全体に軸足を置き、近氏が社長・CEOとして社内に軸足」という新フォーメーションだと説明。目的は、社内外の環境変化を踏まえた経営判断のスピードアップと、トヨタの使命である「産業報国」を果たす体制づくりだとしている。

 今回の社長交代劇で目を引くのは、トヨタが「業界連携」、「産業競争力」にかなり踏み込んでいる点だ。トヨタは、自動車産業が厳しい事業環境に直面するなかで国際競争力を高めるには、業界連携の実践を加速する必要があるとし、その中心で佐藤氏が日本自動車工業会(自工会)会長として果たす役割が大きいと明記している。

 さらに佐藤氏は経団連副会長(2025年5月就任)としても、モノづくりに軸足を置いた政策提言や産業連携が期待される、とした。

 トヨタが自動車メーカーの枠を超え、モビリティカンパニーへの変革を進めるうえでも、業界内の連携だけでなく産業を超えた連携強化が必要——その旗振り役としてCIOを置く、という構図が見えてくる。

 一方、社内側で最重要課題として挙げられたのが、もっといいクルマを作り続ける土台となる「稼ぐ力」の向上と、「損益分岐台数の改善」。これを進めるには機能分業ではなく、会社全体・バリューチェーンまで含めた改革をリードする必要がある。

 そこで、CFOとして収益構造改善の最前線にいた近氏が、社長兼CEOとして社内改革を担う、という説明だ。

 近氏はかつてトヨタの副社長を経験し、ウーブン・バイ・トヨタで経営経験を積み、CFOに就任した。会見では「お金が好き、数字も好き。しっかりとした財務基盤はあって、彼ら(エンジニア)にやりたいことをやらせられる」と、経理出身社長としての抱負を語る場面もあった。

 なお、今回のトップ人事は、独立社外取締役を含む会議体(役員人事案策定会議)で検討・提案され、取締役会で決議された、としており、ガバナンス面の説明も添えられている(決定と通達は2026年1月だったとのこと。早い!!)。

 会見中に佐藤社長が「(自分もクルマ好きではあるが)近さんもクルマが大好き、特にミニバンが好きで、ノアについて熱い思いを語り合ったこともあった」というエピソードを披露。「はい、わたしもクルマ好きなんで」と近氏が応じる一幕もあった。やっぱりトヨタのトップはクルマ好きでないと。

 また、ベストカーとしては会見の最後がハイライトだった。

 司会にあたった富川悠太アナウンサーが、会見終了直前、佐藤氏と近氏にいきなり「セリカはどうなるんですか?」と質問。

「ええと……わたしは『私をスキーに連れてって』(1987年)の世代でして、あの映画に出てきたセリカGT-FOURが憧れでした。ただ……佐藤さんも中嶋さん(商品担当副社長)も、わたしには(次期セリカの開発情報を)何も教えてくれないんですよ。まあでも、教えてくれないっていうことは、順調に進んでいるんじゃないかなと思っています」

 と答えて会場の笑いを誘った。

 それを受けて佐藤氏が、「やっぱりね、大事なのは情熱ですよ。上から”これを作れ”って言われたクルマって面白いものにならない。現場が楽しんで、情熱の火が消えないようにするのが経営陣の仕事だと思います」と締めくくった。

 トヨタ社内で燃え続ける火を、これからも力強く灯し続けてほしい(できれば火力強めで)。佐藤さん、引き続き応援しています。近さん、これまで以上にがっつりしっかり稼ぎつつ、次期セリカ待ってます。

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