日産V36スカイライン(平成19年~)
3台目は、平成19年(2006年)に登場した、日産V36スカイラインです。注目点は、上級グレードのType SP、Type Sにメーカーオプション設定された、世界初4輪アクティブステア(4WAS)です。
日産が、昔から得意であったリアステア制御に、フロントのアクティブステアを足し、統合制御することで誕生した制御デバイスです。この4WASの威力は絶大で、競合他車を大きく引き離すデバイスでした。
特に感激したのが、ワインディングやレーンチェンジのようなシーンです。ステアリングを少し切るだけでクルマが大きく向きを変え、その直後にリア追従させて挙動が安定するので、運転が上手くなったように錯覚します。
この運動性能を、「違和感」として指摘した方もいましたが、筆者としては、良い悪いではなく、4WASによって広がるハンドリングの自由度に、衝撃を受けました。
いまでこそBMWやメルセデス、ポルシェまで、リアアクティブステアを採用していますが、4WASを世界初導入したのがV36スカイラインでした。
■日産V36スカイライン 主要諸元
- 全長×全幅×全高:4755mm×1770mm×1450mm
- ホイールベース:2850mm
- 車両重量:1690kg
- 価格:約360万円~
アウディA6(平成23年~)
4台目は、平成23年(2011年)に登場したアウディA6です。4WDの絶対的な信頼性と高級車の快適性を、高い次元で両立したクルマでした。
当時試乗したのは3.0 TFSIクワトロ。正直なところ、高価格なこと以外に、欠点が見つかりません。
古い4WDにありがちなアンダーステアなど一切出ることがなく、ステアリングフィールも軽く滑らかで、操舵力&補操力も適度で、乗り心地やノイズも抑えられていました。
今ほどの先進運転支援技術がない時代でしたので、クルマ本来が持つ安定性や直進性が重要だったのですが、FR車の先行技術開発をしていた筆者としては、優れた4WD車の前では、FR車はどう工夫しても敵わないことを、まざまざと見せつけられてしまった一台でした。
■アウディ A6 主要諸元
- 全長×全幅×全高:4930mm×1875mm×1455mm
- ホイールベース:2912mm
- 車両重量:1840kg
- 価格:約1030万円~
フォルクスワーゲン ゴルフ7(平成25年~)
5台目は、平成25年(2013年)に登場したフォルクスワーゲンのゴルフ7です。
「やっぱりゴルフなのか」という声が聞こえてくるようですが、正確で安定感の高いハンドリング、クラスを超えた快適な乗り心地、静粛性、室内の使い勝手、優れた燃費、そしてコストパフォーマンス、すべてがバランスよくパッケージングされたクルマとして、このクルマを挙げないわけにはいきません。
ゴルフ7は、BMW330iの正確なハンドリングと、アウディの安定感、そしてセルシオの静粛性と乗り心地、それらに迫る動性能をバランスよく備えたクルマです。
余計なシャレっ気は持たずに、16インチタイヤを装着したベーシックなTSIコンフォートラインがおススメ。大きなサイズのタイヤやパワフルなエンジン、4WDなどを選ばずとも、ゴルフ7のバランスの良さを感じられるはずです。
■フォルクスワーゲン ゴルフ7 主要諸元
- 全長×全幅×全高:4265mm×1799mm×1460mm
- ホイールベース:2635mm
- 車両重量:1320kg
- 価格:約260万円~
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