未だ目視で確認も衝撃だけど、、、道路の異常検知は一般ドライバーがキーマンになるって何!?!?

未だ目視で確認も衝撃だけど、、、道路の異常検知は一般ドライバーがキーマンになるって何!?!?

 どうやら自動車を取り巻く環境は、我々の想像を上回る速度で変化していくようだ。クルマの安全のための各種装備が、次の時代はインフラの整備にも使われるようになるのだという。その仕掛け人は…ホンダである。

文:古賀貴司(自動車王国) 写真:ホンダ

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道路の劣化などをカメラで撮影しデータ収集

こちらが走行テストで集められたデータの一部。劣化や破損の種類だけでなく大きさや深さなども測定される。
こちらが走行テストで集められたデータの一部。劣化や破損の種類だけでなく大きさや深さなども測定される。

 塗料が剥げて見えづらくなった白線、ひび割れたガードレール、じわじわ“育つ”路面の穴…、これらは従来、道路作業員が目視で巡回して初めて発見されてきた。

 国土交通省では電話( #9910:全国共通24時間受付・無料)やLINE(国土交通省道路緊急ダイヤル#9910:友達申請必要)で道路の異状報告を24時間受け付けもしている。

 そんな道路保守にまつわる“やり方”をホンダがアメリカで変えようとしている。

 2026年1月、ホンダはアメリカ・オハイオ州交通局(ODOT)のスマートモビリティ部門「DriveOhio」と共同で、2年間にわたる「予防的道路保守システム(Proactive Roadway Maintenance System)」のパイロットプログラムを完了したと発表した。

 アメリカ初の取り組みとなるこのシステムは、クルマに搭載された安全装備のカメラとLiDARセンサーを活用し、走行中に道路インフラの損傷をリアルタイムで検知するものだ。

 協力パートナーにはi-Probe Inc.、パーソンズ社、そしてシンシナティ大学が名を連ねる。

予想を上回る9割近い正確性を達成

 実証の舞台となったのは、オハイオ州中部から南東部にかけての約4800キロに及ぶ道路網だ。ODOTのスタッフがホンダのテスト車両を実際に運転し、農村部から都市部まで多様な路面環境、さまざまな天候、昼夜を問わない条件下でデータを収集し続けた。

 検知対象は摩耗・遮蔽された道路標識、破損したガードレールや各種道路インフラに用いられているケーブルプロテクター、路面の穴(サイズと位置を含む)、路肩の落ち込み、車線維持支援機能に影響する路面標示の劣化、そして路面の“荒れ”など多岐にわたる。

 気になる検知精度は、期待以上だったという。損傷・遮蔽された道路標識で99%、破損したガードレールで93%、路面の穴では平均89%の正確性を達成している。

 車両センサーが収集したデータはエッジAIモデルで即座に処理され、ホンダのクラウドプラットフォームを経由してパーソンズ社のiNET® Asset Guardianシステムに統合。

 ODOT担当者はウェブ上のダッシュボードから状況をリアルタイムで確認でき、緊急度と位置情報でグループ分けされた「修繕作業指示」が自動生成される仕組みだ。

こちらはオハイオ州で行われた実験に使われたテスト車両。いずれは車体上部の特別な装備も、小型化されるようだ。
こちらはオハイオ州で行われた実験に使われたテスト車両。いずれは車体上部の特別な装備も、小型化されるようだ。

ドライバーを守る装備はインフラを支える装備に

実際のテスト風景がこちら。現在の精度の高さを考えると、実用化される日はさほど遠くない!?
実際のテスト風景がこちら。現在の精度の高さを考えると、実用化される日はさほど遠くない!?

 ホンダが次に目指すのは、このシステムの商用化に向けた第2フェーズだ。プロトタイプからスケールアップし、実運用への移行を探る段階に入る。

 将来的には、一般の顧客が自分のクルマから匿名化したデータを自発的に共有することで、より広範な道路情報を継続的に収集する「クラウドソース型」のアプローチへと発展させる構想だ。

 これまで自動車の安全センサーは、あくまでも「乗っているドライバー自身を守る」ために使われてきた。

 ドライバーは単なる道路“利用者”に過ぎなかったが、これからは安全な道路や地域社会を積極的に“作る側”に回れるのは面白い。

 言い換えれば、クルマと道路インフラの関係性そのものを塗り替える動きとさえ言えよう。毎日の通勤がいつしか社会インフラのメンテナンスに貢献する。そんなフェーズが静かに、確実に近づいている。

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