2020年4月12日、新型コロナウイルス感染拡大による需要減を受けて、サウジアラビアやロシアなど石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国20ヵ国で構成されるOPECプラスは、世界の原油生産の1割に値する最大日量970万バレルの協調減産に合意した。
その8日後の4月20日には、米ニューヨークの商業取引所で米国産WTI原油の先物価格(5月限)が一時1バレル(約117L)が-40.32ドル(約-4330円)まで下落し、最終的には-37.63ドル(約-4040円)となり、史上初のマイナス価格で取引きを終えた。
こうした状況のなか、日本ではガソリン価格が13週連続で値下がりしている。国の委託を受けてガソリン価格を調査している、(財)日本エネルギー経済研究所・ 石油情報センターが2020年4月20日に調査したレギュラーガソリンの全国小売平均価格は、130.9円で前の週より1.0円値下がりした。
2020年1月20日時点の151.6円をピークに13週連続で下落し、過去3ヵ月の累計下げ幅は20.7円、1ヵ月前と比べても12.6円に達している。これは2017年7月18日以来の安値更新となった。
原油とガソリンに関する状況が目まぐるしく変化しているが、ここで改めて原油とガソリンの価格がなぜこれほど下落したのか?
そしてこの先、ガソリン価格はどうなっていくのか、モータージャーナリストの高根英幸氏が解説する。
文/高根英幸
写真/ベストカーWeb編集部
取材協力/「gogo.gs」
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ガソリン価格が13週連続で値下がり
2020年4月22日に(財)日本エネルギー経済研究所・石油情報センターが発表した4月20日時点での全国平均価格はハイオクガソリンが141.8円/L、レギュラーガソリンが130.9円/L、軽油が112.2円と13週連続の値下がりだった。
レギュラーガソリンの全国平均価格は3月16日には143.5円だったが、先週の4月13日には131.9円、そして4月20日には130.9円と、約1ヵ月で12.6円も値下がりしたことになる(表参照)。
ハイオクガソリンの全国平均価格も3月16日は154.4円、4月13日は142.8円、4月20日は141.8円とこちらも約1ヵ月で12.6円も値下がりしている。
全国のドライバーがガソリンスタンドの店頭価格を投稿して実勢価格を掲載しているサイト「gogo.gs」での4月23日時点の全国平均価格はハイオクガソリンが136.4円/L、レギュラーガソリンが125.3円/L、軽油が106.0円/Lと値下がり傾向は続いている。
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