信号待ちの時などに自動でエンジンを停止するアイドリングストップは、今やほぼ全ての新車に付くおなじみの機能。燃費向上には必須だが、「なぜかアイドリングストップが作動しない」と思ったことはないだろうか。
実はアイドリングストップの作動にはさまざまな“条件”があり、それを満たしていても作動しないケースがある。
文:ベストカーWEB編集部
予想以上に細かいアイドリングストップの作動条件
そもそも、アイドリングストップはどのような条件で作動するのか? 国産自動車メーカーに取材したなかから、代表例としてホンダ S660の作動要件をみてみよう。
■ホンダ S660(CVT車)のアイドリングストップ作動要件
- 1.車速約10km/h以下のとき
- 2.SPORTモードスイッチOFF
- 3.アクセルペダルOFF
- 4.ブレーキペダルON
- 5.一定範囲の減速度のブレーキング時
- 6.ハンドル操作をしていない時(切れ角の少ない直進時)
- 7.ほぼ平坦な路面を走行
- 8.バッテリー状態が良好
- 9.エンジン、CVTが暖機された状態のとき
- 10.空調が快適な状態のとき
これは、S660だけでなくNシリーズ(N-BOX、N-ONE、N-WGN)も共通の作動要件とのこと。
また、ダイハツ広報部によると、ダイハツ車では「外気温0℃以上、エンジン冷却水温が53℃~105℃の場合(NA車)」という作動要件もあるとのこと。
裏を返せば、これらの作動要件を満たしていない場合、アイドリングストップは作動しないことになる。
条件を満たしているのになぜ作動しない?
とはいうものの実際、車を運転していると「作動要件を満たしている(ように感じる)のにアイドリングストップが作動しない」ケースがあるのも事実。
その時、なぜアイドリングストップは作動しないのか。自動車評論家の鈴木直也氏は、次のように指摘する。
「例えばバッテリーの電圧レベルが、アイドリングストップの作動要件以下に落ちているケースが考えられる」
たしかに、バッテリーの電圧が原因なら「アイドリングストップが作動する状況」とほぼ見分けがつかない。
いっぽうで、作動要件を満たしていても、ECU(エンジン等を電子制御するコンピューター)が“作動要件を満たしていない”と判断するケースもあるという。
「現代の車は、さまざまな複雑な制御を行っていて、アイドリングストップ制御はその“ほんの一部”。だから、『車のどこかがおかしい』と制御システムが判断し、エラー判定を出した場合、アイドリングストップも作動しなくなる可能性がある」
つまり、アイドリングストップが作動しない場合、以下の2パターンが主な理由として考えられる。
1.アイドリングストップの作動要件を満たしているように見えて、実際は満たしていないケース
2.車の制御コンピュータの判定ミスやエラー判定
愛車のアイドリングストップが作動しない背景には、これらの原因が隠されていたのだ。
コメント
コメントの使い方