カローラは常に時代背景を反映
日米貿易摩擦が大きな騒動になってもカローラは売れ続けた。先ゆき不透明だったが、日本はバブル経済の後押しを受け、右肩上がりに生産を伸ばしていく。1987年5月に6代目を送り出すが、レビンを含めついに全車FF方式になった。
主役は高性能で燃費もいいハイメカツインカムだ。廉価モデルでも上質なインテリアだったし装備も充実しているなど、快適性はクラスを超えていた。また、高い走破性のフルタイム4WDも設定している。
バブルの絶頂期に開発された7代目カローラは高級感と感動をテーマに開発され、1991年6月に登場した。発売時に景気は下降線を辿っていたが、上級のマークIIやコロナと遜色ない上質感と快適装備を数多く採用し、安定した売れゆきを見せた。
1992年5月には美しい4ドアHTのセレスも誕生。商品として魅力的だった6代目と7代目は、欧州メーカーのクルマづくりにも大きな影響を与えている。
1995年に登場した8代目はオフセット衝突にも対応したGOAボディを採用し、安全装備も充実させた。だが、バブルの反動でコストダウンを徹底する。当然、チープな内外装は、それまでの豪華さに慣れたファンから非難の的となった。
そこで2000年に登場する9代目は、21世紀のグローバルスタンダードにふさわしい世界戦略車を目指している。背を高くして座り心地をよくし、質感も大幅に高めた。ワゴンはフィールダー、ハッチバックはランクスを名乗り、レビンは整理されて消滅する。
2001年9月に北米で同時多発テロが起こった。翌2002年、カローラは33年間トップの座にあった国内新車販売1位の座をフィットに奪われている。
だが、政府が環境性能の高い新車の優遇政策をとったことも手伝い、トヨタはすぐに立ち直った。アフターバブルの兆しが見えたことに加え、海外での販売も輝きを取り戻す。
2006年に登場する10代目は、5ナンバーサイズにこだわって海外向けとは別の国内専用モデルとなった。4ドアセダンにはアクシオのサブネームが付いた。リーマンショックもスクラップインセンティブ政策に助けられ、上手に乗り切った。
11代目も国内専用モデルのアクシオとワゴンのフィールダーの二本立てだ。特筆したいのは、2013年にエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車を追加設定したことだ。
この時期、カローラは150カ国以上で販売され、海外の工場でも数多く生産された。累計生産台数は世界一で、2013年7月には世界累計生産台数4000万台を達成する。
現行型の12代目は初めて小型車枠を飛び越えワイドボディを採用。5ドアHBのカローラスポーツが最初に登場し、ワゴンはツーリングと名付けられる。2021年9月にはクロスオーバーSUVのカローラクロスが仲間に加わると、販売の中心となった。
市場環境の変化に上手に対応し、世界中で愛されるファミリーカーへと成長したのがカローラだ。日本の風土が生んだ歴代カローラから、日本が辿った成長の60年が見えてくる。
【画像ギャラリー】登場以来普通の人々に寄り添って……ついに還暦!! 国民と共に歴史を紡いできたトヨタ カローラの60年(39枚)画像ギャラリー










































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