プロが断言する“実は不必要な装備”の正体! サンルーフもサンバイザーも「進化の妨げ」でしかない!?

プロが断言する“実は不必要な装備”の正体! サンルーフもサンバイザーも「進化の妨げ」でしかない!?

 便利な装備が増えるほど、クルマは本当に魅力的になるのか? 安全や快適のために積まれた機能のなかには、走りや価格、使い勝手を考えると首をかしげたくなるものもある。モータージャーナリスト/レーシングドライバーの視点から、いまのクルマに潜む「なくてもいいのでは?」を掘り下げていく。

文:中谷明彦/画像:ベストカーWeb編集部ほか

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便利な時代にはなったけれども……

2026年になって復活したインサイトは高級装備など盛り沢山なことも注目された
2026年になって復活したインサイトは高級装備など盛り沢山なことも注目された

 自動車は、誕生以来絶えず進化を続けてきた。エンジン性能の向上、シャシー剛性の改善、電子制御の導入など、その技術革新の積み重ねが、現代の自動車を成立させている。それと同時に、車両に装着される装備の数もまた年々増え続けてきた。 利便性を高める装備、安全性を補助する装備、さらには快適性を追求する装備まで、現在の乗用車には実に多くの機能が盛り込まれている。

 一般的には、装備が多ければ多いほどクルマの価値は高まると考えられている。フル装備という言葉が象徴するように、装備の充実はそのまま自動車の商品価値の高さとして認識される傾向があるのも事実だ。

インサイトの内装。室内を彩るLEDアンビエントランプやプラズマ空気浄化機能付きの「アロマディフューザー」も装備
インサイトの内装。室内を彩るLEDアンビエントランプやプラズマ空気浄化機能付きの「アロマディフューザー」も装備

 しかし、装備が増え続ける現在の自動車を冷静に観察してみると、果たしてそれらすべてが本当に必要なのかという疑問を抱かざるを得ない。走りを書けるモータージャーナリスト/レーシングドライバーとしてクルマという機械を見つめてきた立場から言えば、近年の装備の中には明らかに過剰、あるいは本質的ではないものも少なくないのである。

 今回は、独断と偏見を承知のうえで、「これは不要ではないか」と感じている装備についていくつか述べてみたい。

それってほんとに自動運転なのか?

各メーカーはこぞって自動運転技術に力を入れているが、日本ではレベル4まで解禁されている。写真は日産 セレナの実証実験模様
各メーカーはこぞって自動運転技術に力を入れているが、日本ではレベル4まで解禁されている。写真は日産 セレナの実証実験模様

 まず筆頭に挙げたいのは、いわゆる自動運転機能である。現在市販車に搭載されている自動運転技術は、国際的な分類で言えばレベル2が主流である。つまり、車線維持支援とアダプティブクルーズコントロールを組み合わせた、いわば「部分的な自動化」にとどまっている。

 しかし私は以前から、レベル1、レベル2といった段階的な表現そのものに違和感を抱いている。なぜなら、自動運転とは本来、車両が自律的に走行を完結できる状態を指すべきだからである。人間が常に監視し、いつでも操作を引き継げる状態を維持しなければならないのであれば、それは自動運転とは呼べない。あくまで運転支援機能の延長に過ぎない。

  例えば高速道路でレベル2機能を使用する場合、ドライバーはステアリング付近に手を置き、常に前方を監視していなければならない。さらに、追い越しを行う際にはウインカー操作を行い、車両が安全を判断した場合のみ車線変更が実行される。

自動運転とは言っても、現状はあくまで運転支援機能の延長感が否めない。写真は、「ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能」の実演
自動運転とは言っても、現状はあくまで運転支援機能の延長感が否めない。写真は、「ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能」の実演

 つまり、ドライバーは常にシステムの状態を理解し、その作動条件に合わせて操作を行わなければならないのである。 これは決して運転の自動化ではない。従来とは異なる運転スタイルを要求する新しい操作体系に過ぎないと言えるだろう。

 本来であれば、ドライバーが自分の目で後方確認を行い、ウインカーを出し、ステアリングをわずかに操作するだけで追い越しは完了する。決して難しい作業ではない。にもかかわらず、その機能を実現するためにカメラ、レーダー、各種センサー、さらには高性能コンピューターが必要となり、開発コストは膨大なものとなる。

 そしてそのコストは当然ながら車両価格に反映され、最終的にはユーザーが負担することになる。 自動運転という言葉を使う以上、車両が完全に自律走行できる段階に達するまで、その表現は控えるべきではないかと考えている。

 もちろん、衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシストといった安全支援機能は非常に有効な技術であり、それらに対して対価を支払う価値は十分にある。問題は、それらを過度に拡張し「自動運転」と呼んでしまうマーケティングの姿勢なのである。

次ページは : 時代の変化とともになくなっていったものたち

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