小さなクルマに乗り替える人続出! なぜ今ダウンサイザーなのか?

コンパクトカーに安全装備が充実したこともダウンサイジングが進んだ原因

新型ヤリスは右折時の直進車両接近に対し警告を出し、ブレーキを掛けなければ自動ブレーキが作動。また右左折時の歩行者も検知し、自動ブレーキを掛けてくれる。これはトヨタ初の装備でバック時の自動ブレーキもオプションで選べる
新型ヤリスは右折時の直進車両接近に対し警告を出し、ブレーキを掛けなければ自動ブレーキが作動。また右左折時の歩行者も検知し、自動ブレーキを掛けてくれる。これはトヨタ初の装備でバック時の自動ブレーキもオプションで選べる

 このほか高齢者を中心にダウンサイジングが進んだ背景に、コンパクトカーの上級化と併せて安全装備の充実もある。

 フィットやヤリスの衝突被害軽減ブレーキを見ると、ミドルサイズやLサイズの車種と比べて遜色はない。

 ドライバーの死角を補う各種のモニターも充実している。高齢になると運転の能力が下がり、最近は高齢ドライバーによる交通事故の報道も増えた。

 小さなクルマでも安全装備が重視され、今のコンパクトカーはこの要求に応えているから、ダウンサイジングするユーザーが増加した。

 体力の低下を補う機能が豊富なことも特徴だ。フィットやヤリスなど設計の新しいコンパクトカーには、車間距離を自動制御しながら追従走行できるクルーズコントロールなど、運転支援の機能も充実している。

 またコンパクトカーはセダンやクーペに比べて天井と着座位置が少し高く、無理のない自然な姿勢で乗り降りできる。

 腰の負担が少ない。もともとコンパクトカーは生活ツールとして開発され、今は安さよりも安心と快適を重視するから、ダウンサイジングのニーズにピッタリ合う。

アップサイジングとダウンサイジングの交差点で質を高めるコンパクトカー

ライズの購入ユーザー層は50代が15%、60代以上が25%と、50代以上が4割を占める。若々しいイメージのライズなのだが……
ライズの購入ユーザー層は50代が15%、60代以上が25%と、50代以上が4割を占める。若々しいイメージのライズなのだが……

 またダイハツの開発者は、コンパクトカーの上級化を別の観点で指摘した。

 「今は上級車種からコンパクトカー、さらに軽自動車までダウンサイジングするお客様が増えたが、実際には軽自動車からコンパクトカーへアップサイジングするケースもある。

 軽自動車を購入したお客様の内、20%くらいはアップサイジングする。そして今の軽自動車は内外装や乗り心地が上質で安全装備も充実するから、コンパクトカーにアップサイジングするお客様は、さらに上質な内装や安全装備を求める。

 そこでダイハツブランドのロッキー(ライズの姉妹車)は、プレミアムと呼ばれる最上級グレードを用意した。

 このグレードにはライズでは選べないソフトレザー調のシート表皮が使われ、上級の安全装備もオプションではなく標準装着した。

 タントカスタムやムーヴキャンバスからの乗り替えに対応するダイハツの小型車には、プレミアムなグレードが求められている」。

 以上のようにダウンサイジングの焦点とされる1Lから1.5Lエンジンを搭載するコンパクトカーは、軽自動車からアップサイジングする需要も根強い。

 このニーズに応えることも含めて、最近のコンパクトカーは質感や装着の水準を高めた。アップサイジングとダウンサイジングの交差点で質を高めるコンパクトカーは、日本車の中心的な存在といえるだろう。

【画像ギャラリー】ダウンサイザーなクルマの購入ユーザー層&人気グレードは?

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