命に関わる絶対に削ってはいけない費用
節約を意識するあまり、「走る・曲がる・止まる」というクルマの基本性能、ひいては命に関わる部分の費用まで削ってしまうことは絶対に避けなければならない。その最たるものがタイヤとブレーキに関するメンテナンス費用だ。
タイヤの溝の深さが1.6mm未満になると現れるスリップサインを無視して走り続けることは、道路運送車両法違反であるだけでなく、雨天時の制動距離が著しく長くなったり、ステアリングやブレーキがまったく利かなくなるハイドロプレーニング現象を誘発する極めて危険な行為。
また、溝が十分に残っていても、製造から5年以上が経過し、ゴムの硬化やひび割れなどの経年劣化が見られるタイヤは、高速走行中に突然バーストする危険性をはらんでいるため、たとえ走行距離が短くても早めの交換をお薦めしたい。
いっぽう、道路運送車両法が定める重要保安部品であるブレーキパッドやブレーキフルードの交換を先延ばしにするのも言語道断。
新品では約10mmあるブレーキパッドの残量が3mm以下になった状態や、経年劣化や吸湿によって沸点が下がった古いブレーキフルードを使い続けると、長い下り坂などでブレーキがまったく利かなくなるフェード現象やベーパーロック現象を引き起こし、大事故に直結する可能性があるからだ。
さらに、タイミングベルトやウォーターポンプなど、メーカーが走行距離や年数で交換時期を明確に指定している部品のメンテナンスを怠ることも危険。
これらのパーツが走行中に破損した場合、エンジンが突然停止し、最悪の場合はエンジン本体が致命的なダメージを受けて数十万円という高額な修理費が必要になるだけでなく、大きな事故にもつながりかねない。
警告灯の点灯や異音など、クルマからの異常のサインを感じた際は、メンテナンス費用を出し渋ることなく、すぐさまプロの手による点検整備を受けることが、結果的に最大の節約であり安全への投資となるはずだ。
物価高のなか、クルマの維持費を少しでも抑えたい気持ちはわかるが、目先の安さにとらわれて安全をないがしろにすれば、取り返しのつかない事故や高額な出費を招く結果に。
削るべき費用と守るべき費用の境界線を正しく見極めてメリハリをつけることこそが、愛車を長く安全に乗り続け、真の意味で豊かなカーライフを実現する秘訣といえるだろう。
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