帰省や旅行で、普段乗らないクルマを運転する人が多いのではないでしょうか。もし運転者限定や年齢条件がついていると、運転時に任意保険が効いていないなんてことも大いにあります。このような場合に保険料を抑えながら、安心して親や友人のクルマに乗れるのが、1日保険の良いところ。利用者爆増の1日保険について、解説していきます。
文:佐々木 亘/画像:日産・Adobe Stock(メイン画像=sujgat)
【画像ギャラリー】従来の軽自動車の常識を打ち破る「日産 新型ルークス」をギャラリーでチェック(24枚)画像ギャラリーコンビニやスマホから加入できる安心補償
1日保険は、12時間または24時間単位で加入できる自動車保険です。
代表的なものに車両補償付きプランが2つの条件から選べる東京海上日動の「ちょいのり保険」や、リピーターには得する割引がある三井住友海上の「1DAY自動車保険」、12時間単位で入れる手軽さが魅力の損保ジャパンの「乗るピタ!」、スマホから簡単に契約できるあいおいニッセイ同和の「ワンデーサポーター」などがあります。
どの保険も乗るクルマの車検証と運転免許証があれば、スマホやコンビニから申し込みができ、最短5分ほどで契約完了。急に「今日運転することになった」という場合でも間に合います。
補償内容は対人・対物賠償、搭乗者傷害の基本補償に加えて、車両保険が付いたプランも選べ、料金は1日あたり800円前後から3500円程度。さらに事故があっても、自分のいつも使っている自動車保険の等級には影響しない点も大きなメリットです。
ただ、1日保険には利用する際に注意点がいくつかあります。例えば、契約車両は借りた車に限られ、自分や配偶者名義のクルマには使えません。また、車両保険を付帯して運転する場合、乗る期間によっては条件変更よりも保険料がかさむ点にも注意しましょう。そして車両保険を付帯しても、借りたクルマの盗難は補償対象外となります。
条件変更とどちらが得? 帰省時の判断ポイント
実家のクルマを運転する場合、これまでは任意保険の運転者条件や年齢条件を一時的に変更するのが一般的でした。たとえば、「35歳以上限定」を「全年齢補償」「本人夫婦限定」を「限定なし」に切り替えると、誰が運転しても補償対象となります。しかし、こうした一時変更は1ヶ月単位で保険料を支払わなければならず、「1日乗るから日割りで払う」とはいきません。
そこで気になるのは、「どのくらいの期間であれば1日保険のほうが得なのか?」ということです。
35歳以上、本人夫婦限定、通勤通学、免許の色はブルーであるAさんのケースについてみていきましょう。Aさんの保険料は月1万1250円です。このとき、別居している既婚の子ども(24歳)が帰省して2日だけ運転することになりました。運転者条件と年齢条件を変更すると、月額保険料は1万9670円になります。
さらに、事故を起こして保険を使えば等級が3等級下がり、契約条件を元に戻したとしても次の更新では事故有係数で計算され1万8260円となるのです。事故有係数は、事故の内容によって1年〜3年間の適用とされるため、事故有係数期間の総保険料が20万円以上になることも想定しなければなりません。
一方、1日保険(車両保険付き)を利用すれば2日で約5000円〜7500円、事故で保険を使ってもAさんの保険に影響はありません。このように、帰省後2~3日の運転であれば車両保険を付帯しても1日保険が効果的です。


























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