<次世代高級サルーン部門>アヴァンシア
当時の価格は200万円台で、それほど高額ではなかったが、後席を優先した高級でエレガントな「4ドアクラブデッキ」というコンセプトは斬新そのもの。ボディサイズも全長4700mm、全幅1790mmあり、当時としては十分大型だった。
しかし、高級車は保守的な従来型が好まれ、ファミリーカーは徹底的に室内の広さが優先された当時(今でもその気配強し)の日本では、アヴァンシアの「ちょっとエレガントな余裕の空間」みたいなコンセプトは、フランス料理のコンビニ弁当みたいなものだった。
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こうして見て行くと、ホンダという会社は、根本的に高級車を造るのには向いていない面があることに気づく。
ホンダの社是は、「地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす」というもの。
それはつまり、よくできた大衆車を作るということだろう。
高級車・高額車は、こういう民主的な思想とは外れたところに立脚している。それを無理して作ると、なんだかズレたものになってしまうのかもしれない。
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