高性能でも高級車は難しい!? なぜ“高いホンダ車”はうまくいかないのか

<スーパースポーツカー部門>現行型NSX

NSX(2017年2月発売)/2420万円

 これもまた、性能よりもブランド力が重視される分野だ。高額車・高級車の世界はおしなべてそうであって、ブランド力が足りないホンダは、いかに高性能車を開発しても、それだけでは名門ブランドに打ち勝つことはできない。

 現行NSXは、2000万円台で買えるハイブリッドスーパースポーツ。中身を見れば非常に先進的で、性能も申し分ない。

 フェラーリやランボルギーニが、今後ようやくハイブリッド化を本格的に進めようとしている段階にあることを思えば、ホンダは初代NSX同様、スーパースポーツカーの新たなトレンドを作ったとも言える。

 しかし、それと市場での人気獲得とは別問題だ。こっちはアコードやレジェントよりもはるかに雲上な世界でもあり、食い込むのはさらに難しい。

 ブランド力を培うには、長年の継続がなにより重要だが、NSXは30年間でようやく2代目。長年放置されてきた。これではブランド力が高まるはずはない。

初代NSXが誕生したのは1990年。その後、2005年まで生産が続けられ、約10年の空白期間を経た後、2代目の現行モデルが“復活”

 現行NSXは、商品コンセプト自体が一般的なスーパースポーツカーとガチなのも難しかった。

 ブランド力がないのなら、日産GT-Rのように、見た目からしてまるで異質に攻め、価格をぐっと抑えつつ性能で肩を並べるという下克上的なコンセプト戦術もある。

 初代NSXは、当初の値段はライバルの半額程度で、価格面では下克上戦略をとっていたが、現行NSXはライバルより若干安い程度で、フォルムはまんま普通のスーパーカー。性能も互角レベル。これで対抗するのは難しい。

<先進環境対応車部門>クラリティPHEV

クラリティPHEV/598万9500円
クラリティPHEV/598万9500円

 このクルマに関しては、高額なのは日本だけ(598万円)で、アメリカでは400万円程度で売られている。

 では400万円だったら日本でも売れたのかと言えば、やっぱり売れないでしょうけれど。

 日本ではEVに対する優遇措置が薄く、そもそもあまり台数は出ないが、アウトランダーやプリウスのPHEVに対しても、クラリティは「うすらデカいアメリカンサイズの4ドアセダン」という時点で圧倒的に劣勢。

 最初から北米を念頭に開発されていて、日本への投入は付け足しもいいところなので、売れなくて当然だ。

次ページは : <次世代高級サルーン部門>アヴァンシア

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