新世代クラウンのなかで、とくに悩ましいのがクラウンスポーツとクラウンクロスオーバーだ。どちらもセダンではないクラウンで、SUV的な雰囲気も持つ。価格帯も近い。では買うなら、若々しいスポーツか、落ち着いたクロスオーバーか? 同じクラウンでも幸せの方向はかなり違う。
文:ベストカーWeb編集部/写真
【画像ギャラリー】お手軽価格ならクロスオーバー!? とはいえ内装の質感十分すぎるぞ(8枚)画像ギャラリースポーツは短くワイド。自分で乗りたいクラウン
クラウンスポーツの魅力は、まずデザインの強さだ。全長4720mm、全幅1880mm、全高1565mm。クロスオーバーの全長4930mm、全幅1840mm、全高1540mmと比べると、210mm短く、40mm広く、25mm高い。つまりスポーツは短くワイドで、塊感が強い。見た目の踏ん張り感はかなり濃く、従来のクラウン像とはかなり違う。
価格はSPORT Gが520万円、SPORT Zが590万円、PHEVのSPORT RSが765万円。HEVのG/ZはWLTCモード21.3km/L、PHEVのRSは20.3km/Lで、EV走行距離90kmを備える。単なる見た目重視ではなく、燃費や電動化の実力もきちんとある。
選ぶなら本命はSPORT Zだ。Gでもクラウンスポーツの雰囲気は十分味わえるが、せっかくクラウンを選ぶなら装備の満足感も欲しい。RSはPHEVの魅力が大きいものの、765万円という価格はかなり特別枠。充電環境があり、日常をEV走行中心で使える人向けだ。
クラウンスポーツが似合うのは、後席の広さやフォーマル感より、自分で運転した時の気分を重視する人だ。大きすぎない全長、ワイドなスタンス、SUVともハッチバックとも言い切れない独特の存在感。クラウンを“乗せてもらうクルマ”ではなく、“自分で乗りたいクルマ”に変えたのがスポーツの強さである。
クロスオーバーは落ち着きと実用性のバランスがいい
一方のクラウンクロスオーバーは、よりクラウンらしい落ち着きがある。全長4930mm、全幅1840mm、全高1540mmで、スポーツより長く、少し細く、低い。セダンとSUVの中間のようなスタイルで、登場時は驚きもあったが、今見るとかなり自然にクラウンファミリーの中心にいる。
価格はCROSSOVER Gが515万円、CROSSOVER Zが595万円、2.4LターボハイブリッドのCROSSOVER RSが670万円。燃費はGがWLTCモード22.4km/L、Zが22.2km/L、RSが15.7km/Lだ。価格の入り口はスポーツGより5万円安く、Z同士ではクロスオーバーのほうが5万円高い。つまりHEV同士なら、価格差はほとんどない。
クロスオーバーのよさは、後席や荷室も含めた実用性、そしてクラウンらしい大人っぽさだ。スポーツほど攻めた見た目ではないが、そのぶんビジネスにも家族用にも使いやすい。全長は長いが、全幅1840mmに収まるため、スポーツの1880mmより駐車場で気を使う場面は少ないかもしれない。
また、CROSSOVER RSは2.4Lターボハイブリッドを搭載し、スポーツのHEVとは違う力強さを持つ。PHEVではなくエンジンの存在感を含めた走りを楽しみたいなら、クロスオーバーRSはかなり面白い。燃費より走りの余裕を重視する人向けだ。
結論として、デザインと運転する楽しさで選ぶならクラウンスポーツ。特にSPORT Zは価格、装備、見た目のバランスがいい。いっぽう、後席や日常の使いやすさ、落ち着いたクラウンらしさまで求めるならクラウンクロスオーバーが幸せに近い。
同じクラウンでも、スポーツは「自分のためのクラウン」、クロスオーバーは「家族や仕事にもなじむクラウン」だ。派手に若返ったクラウンを楽しみたいならスポーツ。新しいけれどクラウンらしい安心感も欲しいならクロスオーバー。どちらが正解かは、クラウンに求めるものが“ときめき”か“余裕”かで決まるのである。
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