航続距離は535km。徹底した静粛性対策の一方、ホンダらしい味付けも
パワートレインには、最高出力150kW(約204ps)、最大トルク310Nmを発揮するモーターを搭載。68.8kWhのバッテリーを組み合わせ、WLTCモードでの航続距離は535kmを確保しています。さらに50kW級急速充電では、20〜80%まで約40分で充電可能とされており、日常用途だけでなくロングドライブにも配慮された性能となっています。
静粛性への取り組みも徹底されています。ボディ剛性強化や制振材追加に加え、不快な音を打ち消す「アクティブノイズコントロール」や、ロードノイズを低減する「消音機能付きアルミホイール」まで採用。その一方で、走行モードを「SPORT」に切り替えると、心地よい加速音を演出する「アクティブサウンドコントロール」が作動。静かなだけでは終わらせない、ホンダらしい味付けも盛り込まれています。
インテリアに目を向けると、BEVならではの床面のフラットさを活かした開放的な空間が広がっています。12.8インチの大型センターディスプレイ、11.5インチのヘッドアップディスプレイ(HUD)、BOSE製12スピーカーオーディオなども用意。さらに、車内を彩るアンビエントライトやアロマディフューザーまで装備されており、移動時間を豊かにする上質な空間演出に力が入れられています。
とくに印象的なのが、後席まわりのつくり込みです。足元スペースは十分な余裕があり、大開口のリアドアによって乗り込みやすさも配慮されています。後席の快適性を重視する中国市場のニーズを意識したものと思われます。
3000台限定販売ににじむホンダの「迷い」
そんな新型インサイトですが、販売に関してはかなり慎重な体制となっており、販売台数は3000台限定。ここからは、ホンダのBEV戦略の「迷い」も見てとれます。
ホンダは2026年3月、北米で予定していた「Honda 0 SUV」「Honda 0 Saloon」「Acura RSX」の開発・発売中止を発表。電動化戦略の見直しに伴う損失は、今後分も含め最大2兆5000億円に達する可能性があるとしています。
一方で、ホンダは長期的にはEVを最適解としながらも、足元では需要の高いハイブリッド車へ開発・生産リソースを再配分する方針を打ち出しました。そこへ、中国市場向けBEVをベースとするモデルを「インサイト」として3000台限定で日本導入する。これは日本でEVの火を消さないための布石とも読めますが、同時に“本命EV不在”を埋める苦肉の策にも映ります。
かつてホンダ初の量産ハイブリッド車だったインサイトの名をBEVに冠したところに、ホンダの狙いと迷いの両方がにじんでいるように思えます。大丈夫かホンダ。ちゃんと「大きな絵」は描けているか。裏側ではしっかりと、ホンダらしい大胆な技術と戦略が動いていると期待しています。
【画像ギャラリー】新型ではBEV専用クロスオーバーSUVへ大胆チェンジした、ホンダ「インサイト」の歴代モデル(29枚)画像ギャラリー































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