アジア系企業の成長が著しいEVの世界。台湾の鴻海では、EVの設計や製造を受託する形で業界に深く参入しつつある。2025年には三菱自動車と提携し、三菱ふそうや三菱電機モビリティなど、三菱グループ各社との繋がりを強めている。
※本稿は2026年4月のものです
文:角田伸幸/写真:三菱 ほか
初出:『ベストカー』2026年5月10日号
三菱グループとの結びつきを強める鴻海
台湾の鴻海精密工業が、じわじわと日本進出を進めている。2025年には三菱自動車とオセアニア向けEVの供給で提携し、三菱ふそうともEVバス生産の合弁会社設立を決めた。
今回は、三菱電機が傘下に持つ自動車部品メーカー「三菱電機モビリティ」への50%出資に向けて交渉に入ったことが明らかになった。
いずれも「三菱」を冠した企業との連携だが、今のところ各社が相互に連携する動きはないようだ。
三菱電機側は事業の選択と集中を加速させており、収益性に課題がある事業の撤退も視野に入れている。
コスト面に強みを持つ鴻海との共同運営に切り替えることで競争力を高める狙いだが、将来的には自動車部品事業を鴻海に譲り渡す可能性も否定できない。
鴻海はEVの設計・製造受託ビジネスを掲げている。その成功のために、変革の岐路にある日本の自動車産業を取り込もうという意図が透けて見える。三菱グループとの実績を足がかりに、さらなる顧客開拓を狙う構えだと予想する。
台湾で設計したEVを日本で作る。そんな日が、すぐそこまで来ているのかもしれない。
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