2026年4月から始まった、自転車への「青切符制度」。信号無視やながらスマホなどが反則金の対象となりましたが、クルマ側にも、自転車との距離や追い越し方に関する新たな考え方が盛り込まれています。とくに注意したいのが、黄色いセンターライン区間。この区間ではクルマ側に難しい判断が求められるケースがあります。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_尚吉 鈴木/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】自転車も青切符時代へ!! クルマ乗りが知らないと危ない“2026年新ルール”と本当に怖い違反(9枚)画像ギャラリーついに始まった「自転車の青切符」
2026年4月から、自転車にも交通反則通告制度、いわゆる「青切符制度」が導入されました。対象となるのは16歳以上の自転車利用者。警察官が違反を認知した場合でも、基本的には現場で指導警告が行われ、直ちに青切符交付とはならないとされていますが、信号無視や一時不停止、ながらスマホ、右側通行(逆走)など、危険性や迷惑性が高い違反については、青切符による取り締まりの対象となります。
酒酔い運転や妨害運転などの悪質な違反については、従来どおり刑事手続き(赤切符)の対象となるほか、ながらスマホについても、交通事故を発生させるなど危険性が高い場合には、刑事手続きの対象となります。酒気帯び運転についても、2024年の法改正によって刑事手続きの対象となっています。
これまで自転車の違反については、警察官による指導警告で終わるケースがほとんどでしたが、近年は交通死亡・重傷事故に占める自転車関連事故の割合が増加傾向にあり、自転車が関係する死亡・重傷事故では、自転車側に交通違反があるケースが全体の7割以上にのぼるとされています。
つまり、自転車の交通違反を減らすことができなければ、交通事故を減らすことは難しく、自転車にも青切符制度を導入することで、交通ルール順守を促していこうというのが、今回の制度導入の背景です。
警察庁によると、制度導入から1か月間での自転車運転者への青切符告知件数は全国で2147件。もっとも多かったのは一時不停止で全体の約40%を占め、次いで携帯電話使用等が約33%、信号無視が約14%だったそうです。一方で、指導警告は13万件超にのぼっており、まずは利用者への周知や安全意識向上を重視していることもうかがえます。

クルマ側にも新ルール 「安全な速度」と側方間隔が重要に
自転車への青切符制度導入以降、自転車が車道を走っている光景を目にする機会が増えました。車両として車道を走る自転車に対し、クルマ側としては距離感や追い越し方に気を使う機会が増えていますが、自転車への青切符制度導入決定にあわせては、クルマ側にも新たな規定が盛り込まれています。
追加されたのは、道路交通法18条3項。「車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)は、当該車両と同一の方向に進行している特定小型原動機付自転車等(歩道又は自転車道を通行しているものを除く。)の右側を通過する場合(当該特定小型原動機付自転車等を追い越す場合を除く。)において、当該車両と当該特定小型原動機付自転車等との間に十分な間隔がないときは、当該特定小型原動機付自転車等との間隔に応じた安全な速度で進行しなければならない。」と規定されました。
この「特定小型原動機付自転車等」とは「特定小型原動機付自転車及び軽車両」。つまり自転車が含まれます。クルマは同じ方向に進んでいる自転車の右側を、進路変更を伴わずに通過する場合、十分な間隔がないときは、その間隔に応じた安全な速度で進行することが求められる内容です。「追い越す場合を除く」とされていることからわかるように、18条3項は「追い越しではない右側通過」に安全速度義務を課すための規定です。
では進路を変えて前に出る追い越しの場合はどうなるのでしょうか。
追い越しに関しては、道路交通法30条において、「追越しが禁止されている道路の部分においては、他の車両を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない」と定められています。この規定における「他の車両」については、自転車(軽車両)は対象外。つまり、自転車を追い越す場合については、追い越し禁止場所であっても、進路変更や側方通過は禁止されていません。
ただし、「追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止」は別です。「追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止」とは、黄色いセンターラインで示される交通規制。道路交通法17条5項4号において規定されているものであり、右側部分にはみ出さなければ(黄色のセンターラインを越えなければ)追い越すことができますが、はみ出しての追い越しは禁止されています。
この規定には自転車を含む軽車両を追い越す際に関する除外規定はありません。黄色いセンターラインによる規制は、主に道路幅が狭く(主に6m未満道路)、対向車との接触危険がある道路で実施されています。そのため、自転車と十分な側方間隔(一般的に1.5m以上が望ましいとされる)を確保しようとすると、対向車線側へはみ出さなければならないケースは少なくないですが、黄色いセンターライン区間では、そのはみ出しが禁止されています。つまり、「安全に抜こうとすると違反」「違反を避けると安全に抜けない」という状況が起こりうるわけです。
おそらくですが、追加された18条3項の規定は、この状況を想定して新設されたものでしょう。クルマが黄色いセンターラインの箇所ではみ出さずに自転車の側方通過をしようとすると、自転車の側方ギリギリを通行しなければならず危険。なので「十分な間隔がないときは安全な速度で通行するように」と定められたのだと考えられます。











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