自転車事故への備えといえば、相手にケガをさせた際の賠償をカバーする個人賠償責任保険を思い浮かべる人が多い。しかし実際には、自分自身がケガをした時の補償も同じくらい重要だ。実は自動車保険の人身傷害保険が、自転車事故でも役立つケースがあることをご存じだろうか。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(メイン画像=LIGHTFIELD STUDIOS)
【画像ギャラリー】実は知られていない「人身傷害保険」の実力! 自転車事故に備える保険選びのコツ(6枚)画像ギャラリー人身傷害保険が自転車事故でも役立つケース
自動車保険の人身傷害保険と言えば、「車に乗っている時だけの補償」と思われがちです。しかし、車外補償型、他車・車外自動車事故などを付帯していると、自転車事故中のケガも対象になる場合があります。
例えば、「自転車走行中に車と接触しケガをした」「自転車で転倒して骨折した」「歩行中に自転車と衝突した」などのケース。こうしたケースでも治療費や休業損害、慰謝料などが補償される可能性があります。
さらに人身傷害保険で大きいのが、「過失割合の影響を受けにくい」という特徴です。通常、相手がいる事故では「あなたにも過失があります」となると、その分受け取れる補償が減ることがあります。しかし、人身傷害保険は自分の契約から先に補償を受けられるため、示談を待たずに治療費などを確保しやすい仕組みです。
また、自転車事故では「相手に責任があっても、十分な補償を受けられない」ケースもあります。
例を挙げると、30代男性が自転車通勤中に車にはねられ骨折したケース。相手側の過失が大きかったものの、相手は任意保険未加入で自賠責のみでした。男性は長期通院と休職を余儀なくされましたが、自賠責の傷害補償は原則120万円。治療費や休業損害を考えると、働き盛り世代には十分な補償とは言えない状況になったのです。
この男性は、自動車保険を更新した際、代理店から人身傷害保険にある人身傷害乗用具事故補償特約 の付帯を勧められたことを思い出しました。証券を確認すると、人身傷害保険の補償範囲に人身傷害乗用具事故補償特約の記載があったため、代理店に自転車事故に遭ったことを報告しその結果、不足分についても補償を受けることができました。
自転車事故で本当に怖いのは自分がケガをした時
法改正によって、自転車利用者にもこれまで以上に過失が問われる時代になり、「相手に損害を与えた時」に備えて個人賠償責任保険へ加入する人は増えています。
もちろん、自転車事故では高額な賠償責任が発生するケースもあるため、相手への備えは重要です。しかし、事故後に大きな負担となりやすいのは、自分自身がケガをした時の生活への影響ではないでしょうか。
特に、30代〜40代の働き盛り世代では、通院の長期化や休業による収入減、家族の送迎負担、後遺障害による将来への不安など、事故後の負担が想像以上に大きくなるケースがあります。自分がけがをしたときの補償があるのかどうか、保険の再チェックは重要な作業です。
【画像ギャラリー】実は知られていない「人身傷害保険」の実力! 自転車事故に備える保険選びのコツ(6枚)画像ギャラリー「個賠+人身傷害」をセットで備える
おすすめなのは、自動車保険に「個人賠償責任特約」と「人身傷害保険の車外補償」をセットで備えておくこと。これで、自転車事故のリスクに対しては、しっかりとカバーができるでしょう。
個人賠償責任特約は、「相手にケガをさせてしまった時」の備えです。一方、人身傷害保険の車外補償は、「自分や家族がケガをした時」の治療費や休業損害、慰謝料などをカバーできる可能性があります。
特に、人身傷害保険は相手との示談成立前でも自分の保険から先に補償を受けられるケースがあるため、事故後の生活不安を軽減しやすい点も大きな特徴です。しかも、こうした補償は自動車保険へ特約として付帯することで、年間保険料が6,000円程度に収まるケースもあります。
相手への備えだけでなく、自分と家族の生活を守る備えとして、今加入している自動車保険の補償内容を一度確認してみる価値があるでしょう。
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