北海道を除く日本全土に訪れる梅雨。当然ながらクルマにも梅雨の影響はある。今回は、クルマに対する梅雨のリスクとその対策を考えていくことにしたい。万全の梅雨対策で愛車の状態を良好に保とう。
文:長谷川 敦/写真:日産、写真AC
【画像ギャラリー】梅雨の湿気が愛車を静かに蝕む!? (11枚)画像ギャラリー車体が濡れることに関するリスク
当然ながら、クルマは雨で濡れることを前提に設計されているので、基本的に濡れたからといってすぐに問題が生じることはない。
とはいえ、梅雨のように降雨日が多く、大気中の湿度が高い時期にはリスクが生じてくるのも事実だ。
そこでまずはクルマが濡れた際に生まれるリスクとその対策を考えてみる。
●ラゲッジ下への浸水
ハッチバックやSUVのラゲッジスペース(荷室)に浸水しているというケースがある。
通常はドア部分にラバー製のシールが装着されていて、これが水の浸入を防いでくれるのだが、ラバーが経年劣化しているとシール力が低下して水が入ってしまうことがある。
この場合の対策としてはシールの交換が必要になるが、梅雨時には荷室の床板やカバーを外して浸水がないかを確認することでトラブルの拡大を予防できる。
特にスペアタイヤ収納部には水が溜まりやすく、サビの発生なども考えられるので注意したい。
●ボディの汚れ
雨が降るとボディが水で洗い流されてキレイになると思いがちだが、実はそうではない。
雨には大気中の不純物が含まれていて、これがボディを汚す原因になってしまう。
さらに降雨の後に天気が回復すると、ボディに付いた水滴がレンズのような役割をはたして太陽光を集め、塗装面を焼くウォータースポットが発生することもある。
これらの対策はマメに洗車することで、ボディが濡れた状態でも使えるコーティング剤を併用すればより高い効果も期待できる。
●ドア内部の排水不良
クルマのドア内部は雨水が入ることを想定して設計されていて、水が浸入しても排水が行われるが、ここに汚れが溜まると排水がうまくいかずにサビが発生したりパワーウィンドウの動作不良が起こったりする。
対策は排水口の定期的なチェックと泥などの汚れの除去だ。
走行上の注意点
雨天走行では視界が悪くなるのはご存じのとおりで、路面も滑りやすいので晴天時以上に慎重に運転する必要がある。
そんな梅雨時運転のポイントをピックアップしてみた
●ブレーキ性能の低下
ブレーキを作動させるブレーキフルード(液)は吸湿性が強く、長期間使っていると水分量が増えてくる。
これによって引き起こされる問題がベーパーロック現象だ。
ブレーキの作動による熱がブレーキフルードに伝わり、フルード内部の水分が蒸発することによって気泡が発生し、この気泡がブレーキの圧力を低下させて制動力を落としてしまうのがベーパーロック。
ブレーキフルードをしばらく交換していないと水分を含んで性能が低下する。特に梅雨時はその影響が顕在化しやすいため、ブレーキの利きに違和感があれば早めに点検を受けてほしい。
●視界不良
雨天の走行ではウィンドウに水滴がついて前が見えにくくなるため、ワイパーを作動させて視界を確保するが、この際に気をつけたいのがワイパーの状態だ。
ワイパーに装着されるゴムは使用に伴って摩耗し、紫外線を浴びると硬化して排水能力が低下する。
ワイパーのゴム、あるいはワイパーブレード全体は定期的な交換が必要な部品だが、特に梅雨入り前には状態をチェックして、摩耗や変形しているようなら新品に交換しておきたい。
もちろん、ウィンドウの汚れも視界不良につながるので、こちらも常にキレイにしておくのが安全運転の第一歩だ。
早めのヘッドライト点灯も梅雨時運転では重要になる。
ライトの点灯によって運転手自身の視界を確保するだけでなく、周囲を走るクルマや歩行者などに自身の存在を知らせることができるので、これもまた交通安全に有効となる。
●タイヤの状態
雨中走行では路面グリップが下がって滑りやすくなるが、それは路面とタイヤの間に水の幕ができてしまうため。
そのため公道用車両のタイヤはトレッド(接地)面に溝が設けられ、この溝から排水を行ってグリップを得る。
タイヤに掘られた溝の目的は排水だけではないが、溝がないと濡れた路面をうまく走れないのは事実だ。
つまり、摩耗が進んだタイヤで溝が浅くなっていると排水能力が落ちて滑りやすくなる。
摩耗したタイヤは乾いた路面でのグリップも下がるので、トレッド面のマメなチェックを行うのがお薦め。
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