え、「六大野球」や「七帝柔道」みたいな伝統試合が自動車部にもあるってコト!? トヨタのお膝元で研鑽する名大自動車部を直撃!

え、「六大野球」や「七帝柔道」みたいな伝統試合が自動車部にもあるってコト!? トヨタのお膝元で研鑽する名大自動車部を直撃!

 日本全国の大学自動車部を取材し、活動内容を周知し、応援していこうというこの企画。今回は“旧七帝大”の一角である名古屋大学自動車部を取材させていただいた。自動車メーカーにも多くの卒業生を輩出する名門の活動内容を拝見する!!

※本稿は2026年5月のものです
文:奥野大志/写真:奥野大志、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年6月26日号

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自動車メーカーにOB多数! 東海地区の名門国立大学

名古屋大学自動車部のみなさん。自動車メーカーに就職している卒業生も多い
名古屋大学自動車部のみなさん。自動車メーカーに就職している卒業生も多い

●「自動車部」とは?

 自動車部は野球部やラグビー部と同じ体育会に所属する運動部。強豪校のなかには100年以上の歴史を誇る学校もあり、日本のモータリゼーションの隆盛とともに発展してきた。

 自動車部は国立大学の多くにあり、名古屋大学を含む旧帝国大学は“七大戦”が活動の中心、他の国立大学は近隣のエリアで行われる大会に参加することが多い。

●名古屋大学自動車部 活動内容
・正式名称:名古屋大学 体育会 自動車部
・部員数:12名(1年生をのぞく)
・設立:1959年
・部車:1台(ヴィッツ)
・活動場所:東山キャンパス(自動車部ガレージ)
・活動日:毎週金曜日

 今回は名大こと、名古屋大学を取材しました。名古屋大学は1939年(昭和14年)に創立された名古屋帝国大学をルーツとする国立大学です。東京大学や京都大学に代表される、“旧七帝大”のひとつで、特に難易度の高い国立大学として知られています。

 自動車部のガレージは名古屋市千種区の東山キャンパスにあり、地下鉄に乗って最寄りの名古屋大学駅へ。地上に上がってまず目に入るのが東山キャンパスの真ん中にある「豊田講堂」(とよだこうどう)です。

 1960年(昭和35年)にトヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)の寄付により建設された歴史的な建造物で、名古屋大学のシンボルとして知られています。名大OBのトヨタ自動車社員も多く、強い絆を感じます。

 自動車部のガレージは運動施設が集まるエリアの一角にあります。クルマ数台が整備できるガレージと10台以上停められる広い敷地があり、まさにクルマ好きのオアシス。こんな環境で学生生活を送れるなんてうらやましい限りです。

インタビューに答えていただいた前主将の中里駿介さん。CJミラージュでダートラに挑戦しているほか、地方戦のラリーでは先輩のコドライバーを務めている
インタビューに答えていただいた前主将の中里駿介さん。CJミラージュでダートラに挑戦しているほか、地方戦のラリーでは先輩のコドライバーを務めている

 取材に対応していただいたのは情報学部4年生の中里駿介さん。前年までの主将で、名大自動車部への入部をモチベーションに受験を突破した好青年です。

 「名大自動車部は1959年創部で、現在2年生5人、3年生4人、4年生3人の合計12名で活動しています。試合は旧七帝大の自動車部が集まって行う“七大戦”がメインで、大阪大学との“名阪戦”やフォーミュラジムカーナにも出場しています」(中里さん)。

 七大戦の正式名は「全国七大学総合体育大会」と言います。旧帝国大学(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)の運動部が集う大学対抗戦で、各運動部が獲得したポイントの合計で順位が決まります。

 自動車部の競技はジムカーナとダートラで、毎年9月に会場を移動しながら実施。自動車部のみの順位も発表されるので、名大自動車部はこの大会を目指して練習を行っているのです。

 「2025年の七大戦は北海道大学が主管で、北海道の新千歳モーターランドでジムカーナ、オートスポーツランド砂川でダートトライアルが行われました。美味しい物も食べられて楽しかったのですが、結果は最下位の7位。2026年は最下位脱出が目標です」(同)。

 七大戦は部員所有の個人車で争われるので、ベース車選びが非常に重要。名大ではこれまで、ミラージュに代表されるFF車が人気でしたが、近年ではFR車を所有する人が増えているそう。相場が下がっているのがその理由とのことですが、FR車メインでどこまで上位に食い込めるのか、非常に興味深いです。

整備のために駐車しているたくさんの個人車。以前はFF車中心だったが、最近はFR車が増えているという
整備のために駐車しているたくさんの個人車。以前はFF車中心だったが、最近はFR車が増えているという

 ガレージの中をのぞくと、数えきれないほどの中古タイヤと車体から降ろされたエンジンがゴロゴロ。

 これだけでも充分自動車部らしいのですが、ビックリしたのが充実したツール類。リフトこそないものの、タイヤチェンジャーやエンジンクレーン、油圧プレス、溶接機などがスタンバイ。およそ国立大学の敷地内とは思えない光景で、マジでいちから競技車を作り上げることができそうです。

 「作業はみんなやります。溶接もできちゃいますね。学年を問わず、仲がよいのが名大の特徴で、先輩に整備を手伝ってもらったり、いい意味で扱いが雑だったりします」(同)。

 整備の様子を見させてもらいましたが、クルマの構造をアカデミックに理解しながら作業をしているのが会話からわかりました。さすが名古屋大学というところですが、部員の多くは工学部に所属していると聞いて納得。しかも、卒業後は多くの部員が自動車メーカーに就職していると聞き、さらに納得しました。

 「文系は4人だけで部員の半分以上が理系です。自分は2027年春に卒業ですが、一緒に卒業する人はみな自動車メーカーに就職すると思います」(同)。

 自分でクルマ遊びをしてきた名大生が自動車メーカーに入って活躍するのだからうれしい限り。クルマ好きの気持ちをわかってくれる魅力的な新型車をどんどん作ってくれそうですね。将来がとっても楽しみ!

 名大自動部は今、入部を検討しているたくさんの新入生が足を運んでいて、手応えを感じています。いい循環が生まれているのは間違いなく、7大戦では台風の目になるかもしれません。名大自動車部の応援、よろしくお願いします。

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