当初は現行型の大改良を計画していたレクサス ES。しかしチーフエンジニアの決断により8代目へと生まれ変わった。新型ESに託されたのは「セダンの復権」。SUV全盛の今だからこそあえて新型へ。セダンの再定義、見せていただこう!!
※本稿は2026年6月のものです
文:山本シンヤ/写真:レクサス、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年7月10日号
日本登場前に「小さな高級車」を最速試乗
ESは1989年のレクサス創業時から歴史を積み重ねてきたエースだが、近年はSUV勢にその座を奪われていた。当初の企画は現行の大改良だったが、チーフエンジニアの千足浩平氏は「セダンの復権」を掲げ刷新を決断。それが8代目となる新型である。
日本発売に先駆け北米・サンディエゴで試乗した結論は、伝統を受け継ぎつつも“型破り”を成し遂げた新時代のセダンだと感じた。
外観はリアルワールドの太陽光の下で見ると光と影のコントラストが際立ち、伸びやかでエレガントな4ドアクーペスタイルが美しい。
内装は水平基調のシンプル&クリーンなインパネに、進化したメーターと大型モニターを配置したクリーンで開放感のある空間。操作はタッチパネル中心で、インパネ中央にはクリック感のあるレスポンスヒドゥンスイッチを備える。
居住性はロングホイールベースと全高によりフラッグシップLS超えの広さを実現。後席は閉鎖感がなくミニバンよりプライベート感のある絶妙なバランスだ。
パワートレーンはBEVとHEVを用意。BEVはFFのES350eとツインモーターAWDのES500eを設定。ともに74.7kWhのバッテリーで航続距離は600km以上。
350eでも充分なトルクと加速力で滑らかに走る。出力が約1.5倍の 500eは意外にもジェントルで性能を余裕に使う。
一方、HEVは第6世代へと進化。初の4in1システムで軽量・コンパクト化と低振動化を遂げた。2.5Lエンジンとモーターの高出力化でシステム出力は244hpに向上。雪国待望のAWDも用意される。
常用域のレスポンスと力強さはBEV同等で、レクサス史上最大の“電動車感”を味わうことが可能だ。
フットワークも全面刷新。骨格は第2世代GA-Kで、BEV/HEVに対応するマルチパスウェイプラットフォームだ。足まわりは前がストラット、後がES初のマルチリンク式を採用する。
走りは「骨太だけどエレガント」でブランドが目指す「二律創生」を体現。個人的には軽快さと落ち着きが整ったAWDのHEVとBEVの350eの印象がよかった。逆に500eは制御を感じさせない自然な動きがいいが、欲を言えばもう一味欲しいと思った。
乗り心地は厳しい路面でもカドが丸く、いなしの 効いた動きでレクサス最良の快適性。複数あるタイヤは21インチが見た目・操縦性・快適性・静粛性の総合バランスで最良だった
従来の魅力に新たな価値を添えた新型は「セダンから逃げない」レクサスの挑戦を応援したくなる一台だ。
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