R33スカイラインGT-Rが「名車」と呼ばれない理由とは?

 今や世界中にファンがいる名車である「スカイラインGT-R」。特に、90年代に登場した第2世代GT-Rの人気が高く、状態の良い中古車の価格が高騰している。

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 しかし、「第2世代GT-Rの失敗作――」と、揶揄されてしまうのが、この第2世代の真ん中、R33型だ。

 その理由は様々あげられているのだが、不思議なことに、「自分は、R33はダメだとは思わないけれど…」という枕詞をつける方が多い。

 誰もが認識する弱点があるわけでもないのに、「失敗作」とまで言われてしまうとは、一体どういうことなのだろうか。R33スカイラインGT-Rは、本当に「名車」と呼べないクルマなのだろうか。

文:吉川賢一、写真:日産

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R33型は間違いなく「正常進化」に成功している

R33型スカイラインGT-R(1993年~1998年)

 R33型スカイラインGT-Rは、R32型に対し、全長+130mm、ホイールベース+105mmと拡大され、合わせてボディ剛性も強化された。

 エンジンは名機RB26DETTを搭載、過給圧は0.75kg/cm²から約0.84kg/cm²へとアップし、最高出力の公称値は、自主規制ギリギリの280ps(最大トルク37.5kgm)。

 実際には300psを超えていたというスペシャルなエンジンだった。ブレンボ製ブレーキキャリパーも全車標準装備されている。

名機RB26DETT

 また、プロトタイプモデルが、ドイツのニュルブルクリンクで「7分59秒」というラップタイムを出したことでも有名だ。

 先代のR32より、21秒ものタイム短縮に成功したことで、「マイナス21秒のロマン」という言葉が、セールスコピーに使われた。スカイラインGT-Rのようなスポーツカーにとって「速さ」は、圧倒的な魅力性能である。

 R33は、ニュルのラップタイム更新という「速いクルマ」へと進化したことをデータで示し、順風満帆の出発を切ったように思える。しかし、いくつかの理由で、疑問符を投げかけられることとなってしまった。

R33型スカイラインGT-Rの何が「ダメ」と言われているのか?

R33型は先代R32型より全長125 mm、ホイールベースで105 mm拡大した。

 最大の要因はボディサイズの拡大だ。スリムで無駄のない造形のR32に比べ、R33では、全長やホイールベースが伸び、車重も増えた。合理化のため、ローレルとの車台の共通化が必要となったことが理由だ。

 だが、運動性能設計の面から考えて、ホイールベース延長は、むしろ高速走行におけるスタビリティ向上には有効な手段だ。

 さらに、ホイールベースが長くなったことで、R33は、リアシート下に樹脂製燃料タンクを(R32はトランク床下だった)、リアシート後ろにバッテリーを(R32はエンジンルームだった)設置することができた。

 重量物を可能な限り、ホイールベース内の中心に集めることで、慣性モーメント低減に成功したのだ。

 さらには、ヘッドライトレンズの樹脂化やインタークーラーの軽量化によるオーバーハングの重量軽減も効果的だった。

 R33のホイールベースの延長は、当時日産が目指した、ル・マンのような高速サーキット対策としては大正解。

 短いホイールベースによるキビキビしたハンドリングは魅力だが、サーキットでのタイムを改善することは至難の技であり、ホイールベースや重量配分、車体剛性といった基本諸元の改善でスタビリティを確保していくことが、「安定した速さ」を得るために最も重要だからだ。

1997年ル・マン24時間レースでペースカーをしていた

 しかし、一部のクルマ好きからは、不満が上がった。

 不満を漏らしたクルマ好きたちが、R33を走らせていたであろう峠道では、R33 の大柄なボディと車重が影響し、R32に比べて走らせにくくなったのは、理解はできる。

 しかし、R33 は峠道専用ではない。R33はホイールベースが長くなったことで、R32で狭かった後席のパッケージングが改善し、第2世代3兄弟の中で、長距離移動からサーキットまで楽しめる、最もグランドツーリング寄りなGT-Rだと、筆者は思う。

まとめ

 GT-Rの徹底した走りへのこだわりは、当時からファンを魅了していた。

 R34型が名車と呼ばれたことで、R33型は日陰の存在のように言われてしまってはいるが、登場から25年もたつクルマが、いまだに話題に上がるのは、日産にとって大きな財産だ。

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