日本車の人気はもはや国内だけに留まらず、グローバル化しているのはご存じのとおりだろう。例えばアジア圏では、ミニバンの王者であるトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」の人気は凄まじい。その人気は新車だけでなく中古車にも波及し、装備の充実した中古車は現地で1000万円以上のプライスで販売されているのだ。
また、北米市場では映画「ワイルドスピード」やJDM(日本仕様のクルマ)ブームによって火が付き、右ハンドルの日本車をカリフォルニアで乗るのが、若者にとってクールということで人気なのだ。そこで今回は、国産スポーツカーの中古車市場に大きな影響を与えているアメリカの25年ルールを紹介するとともに今後値上がりする可能性が高い車種を紹介する。
文/萩原文博
写真/NISSAN、HONDA、MITSUBISHI
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■「クラシックカー登録制度」、通称「25年ルール」とは一体何か!?
最近、中古車の記事でよく耳にするようになった言葉が「25年ルール」だ。これはアメリカが施行しているルールを指していて、アメリカは世界のなかでも厳しい安全規制が課せられていて、安全性能を証明するために衝突試験を実施しなければならないことになっており、それが個人輸入の壁となっているのだ。
しかし、製造から25年経過したクルマであれば、クラシックカーと見なされて、その厳しい試験が免除されるという規則がある。これが一般的に「25年ルール」と言われているモノだ。
この25年ルールによって、まず海外流出が始まったのが日本車のヴィンテージイヤーと言われた1989年に登場した日産「スカイライン R32GT-R」だ。「ゴジラ」という愛称で、非常に海外でも人気の高いR32GT-Rは、価格の安い中古車があっという間に買われて、海外に流出し国内の中古車市場は高騰したのはよく知られている。
そのほかでもFD3S型のマツダ「RX-7」、三菱「ランサーエボリューション」、スバル「インプレッサWRX」、ホンダ「NSX」といったモデルがどんどんと海外へ流通していったのである。現在北米では、先述した国産スポーツカーだけでなく、セダンや軽トラックなども人気となっていて日本からどんどん流通しているのである。
そして2020年を迎えて、ちょうど25年前というと1995年だ。今回は1995年(平成7年)に登場したクルマのなかから、25年ルールによって海外流出が危ぶまれるクルマをピックアップし、現在の中古車相場や流通台数などを紹介したい。
■不人気と言われたのは過去の話、日産R33GT-Rも相場は値上がり含み
1995年に登場したクルマでまず取り上げたいのは、1995年1月に登場した日産「スカイライン R33型GT-R」だ。パワートレインはR32GT-Rと同じ2.6L直列6気筒ツインターボ+5速MTだが、ECUの変更により最大トルクが向上した。
また、上級グレードであるCスペックにはアクティブLSD加えて、アテーサE-TSプロを採用し、ロングホイールベース化されたR33 GT-Rの旋回性を高めている。これまでR32~R34までの第2世代GT-Rの中で最も不人気と言われていた。しかし、その人気薄ゆえに良質な中古車でも価格が安かったことにより、購入者が増えて現在は約40台しか流通していない。
3カ月前と比べると増加傾向ではあるが、これ以上増えることはほぼない。平均価格は3カ月前が約448万円で、2019年11月初旬の最も流通台数が減少したときに約464万まで上昇したが、この2カ月は約438万円付近を横這いで推移している。現在の中古車価格帯は約242万~約1480万円。
ちょっと前ならば100万円台の物件も流通していたが、現在は最低でも250万円まで安値は高くなっている。しかも、ちょうどこの1月に25年ルールにより解禁されるので、今後価格の上昇は免れないだろう。
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